やたら継続受診を勧めてくる母乳相談には気を付けて!

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助産師16年&母乳育児支援者&一児の母。助産師の仕事の中でも特に母乳育児支援が好きで、たくさんの母子の母乳ライフのお手伝いをしてきました。 「『母乳だけ』も混合栄養も全部母乳育児」という思いで、母乳育児を科学的な視点+リアル感覚の両方から解説しています。趣味は子ども服作り。
ミカ子
こんにちは!子育て中の助産師ミカ子(@midwife_kaasan)です。

今回は母乳相談のあり方について、私の考えていることを書きます。

何もトラブルがなくて、お母さんも特に継続受診を望んでいないのに、理由をつけて継続受診を勧めてくる母乳相談はあまりオススメしません…というお話です。

「いいおっぱい」のための母乳相談??

乳腺炎、しこりがある、乳首が痛い、母乳分泌が足りない…こういった理由で母乳相談をする人が多いですよね。

じゃあ、この問題が解決して、お母さん自身が「もう大丈夫」と思えたら、とりあえず受診はいったん終了となる…はずです。

ところが、たまにこういう言い方で継続受診を勧める母乳相談があるんですよね。

「今後もおいしい、いいおっぱいを出すためには、定期的にマッサージを受けに来てね!」

トラブル解決の手助けをしてくれた人にこうやって勧められると、なんとなく「そうなのかな。トラブルの再発を防ぐためには定期的に通った方がいいのかな?」と思うかもしれませんが、ちょっと待って!

おいしいおっぱいって、いいおっぱいって何でしょう?

お母さんが食べたものの風味が母乳中に出てくることは知られていますが、私が知る限り、乳房マッサージによって母乳の味が良くなるという根拠はありません。
(しかも「味が良くなる」の定義もよく分かりません)

温かい手と優しい手つきでする乳房マッサージは、「手当てしてもらってる」という実感が湧きやすくて気持ちを癒してくれますが、母乳関連の問題に対して万能ではない、ということは覚えておいていただきたいなと思います。

だから「いいおっぱい」のための継続受診は必ずしも必要じゃないんですよ。

乳房マッサージについて思うこと

乳房マッサージって、つまりは効果的な搾乳行為です。

熟練したマッサージでは、流れが悪くなっている、あるいは詰まっている乳管に対してアプローチすることができるかもしれませんが、もしマッサージによって乳管のつまりが解消されたとしても、つまりの原因(多くは抱き方と吸い付かせ方の問題)を解消していないと、問題が再発する可能性が高いです。

根本的に・最終的に問題を解決していくのは、お母さんと赤ちゃんなんです。

そういう理由から、

  • 母乳相談に乳房マッサージは必須ではないこと。
  • 乳房マッサージ「だけ」に頼ってしまうのは、母乳育児を続けていくという視点からはナンセンス。

ということを知っていただけならなと思っています。

個人的にも乳腺炎の時に乳房マッサージを受けたことがありますが、マッサージは「乳房に対する手当て」というより、「傷ついて不安な心に対する手当て」という意味合いが大きいなという実感がありました。

だから、マッサージの効果について科学的根拠があるにせよ・ないにせよ、施術者との相性が良ければとても良いものになり得ると思います。

でもそれに依存するほど頼りにするのはちょっと違うかな…と思っています。

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支援者の「おかげで」母乳育児が上手くいくのはナンセンス

ここまで、いい状態の母乳を出すために母乳相談を継続受診する理由はないですよ、という話をしました。

じゃあ、「トラブルを再発させないために継続受診してね!」と言われる場合はどうでしょう?

「再発防止のために母乳相談に行く」ということは、トラブルが再発するかしないかは、支援者にかかっているということになりますね。

「あなたに診てもらっている『おかげ』でトラブルなく母乳育児ができて助かります!」って言われたら、支援者はちょっと嬉しいような気もしますが、ホントは恥ずべき称賛です。

だってこれだと、いつもとほんのちょっとでも違うこと、小さなトラブルが起きるたびに相談に行かなきゃいけないですよね。

継続受診ありきの相談を、「母乳育児支援」って言っていいんでしょうか?

母乳育児を継続するために、母乳相談に通う時間と費用が必須というのはおかしい…というかナンセンス(バカげたこと)だと思います。

自立・自律して母乳育児ができるように支援するのが本来の母乳相談だと思う

ですから本来は、こういう関係性が母乳育児支援のあるべき姿だと思います。

  1. トラブルを再発させないように、お母さんが自ら気を付けて、早めに対処できるように支援する。
  2. 「それでも困ったことがあったらいつでも相談に来てね」というスタンス。
  3. お母さんが自分の対処能力を超える問題が起きた場合に、気おくれしたり遠慮したりせず、気軽に相談できる。

つまり自立・自律の支援ということです。

例えお母さんに喜ばれる母乳相談をしたとしても、結果的にほんのちょっとしたトラブルにも対応できないような、お母さんを支援者に依存させるような支援をする母乳相談は、方向性がちょっとマズイと思います。

継続受診してもらえば利益が追求できるのでね…

そういう意味合いで継続受診を勧める母乳相談もあるかもしれませんが、理想的な母乳育児支援・いい母乳育児支援というのは「儲からないもの」なんです。

まとめ

これらのことから、お母さんが特に望んでいないのにやたらと継続受診を勧めてくる母乳相談はちょっとマズいんじゃないかな…ということで、オススメしません。

不安をあおられて心配になるかもしれませんが、そいうところに通い続けても不安はずっと消えないと思います。

「なんとかやっていけそうな気がする!困った時にまた来ればいいんだ。」と思える母乳育児支援者を是非探してくださいね。

もちろん、お母さんが整体とかエステとかカウンセリングに通うような感覚で、「時々この人と会うと元気・安心をもらえるから来たい!」と思うなら継続受診すればいいと思います。

私もそうやって言って下さる女性と1年以上に渡って毎月お会いしたことがありますが、いらっしゃった時と帰っていく時とで顔つきが激変して、穏やかになっていたのが印象的でした。

だいたい母乳の話なんてほんのちょっとで、お仕事の愚痴を聞いたり、補完食(離乳食)の進み具合を話したり、パートナーとの馴れ初めを聞いたり、私の仕事相談とか恋愛相談をしてただけなんですけどね…