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授乳スタイルには色々な種類がありますが、このページではタテ抱きで授乳する時の具体的なコツについてまとめています。
コツを駆使して適切に授乳できると、こんなメリットがありますよ。
- 赤ちゃんが乳房に深く吸いつくことができる。
- 乳首が痛くならない。
- 母乳がたくさん出るようになる。
- 赤ちゃんが母乳をたくさん飲み取れるようになる。
- 古い母乳がおっぱいの中に残らないので、しこり・乳腺炎・異常な張り等のトラブルを防ぐことができる。
タテ抱きでのコツ①:赤ちゃんをお母さんの太ももにまたがらせる
まずは授乳したい側の太ももの上に赤ちゃんを座らせてみます。
- みぎ側の授乳→赤ちゃんをみぎの太ももに座らせる
- ひだり側の授乳→赤ちゃんをひだりの太ももに座らせる
タテ抱きでのコツ②:乳首と赤ちゃんの口の高さが同じになるようにする
授乳したい側の太ももに赤ちゃんを座らせてみたら、「赤ちゃんの口の高さ=乳首の位置」になっているかどうか確認します。
もし高さが合っていないようであれば、以下のようなやり方で調整します。
- 赤ちゃんの口の位置が低すぎる場合は
→①赤ちゃんのおしりの下に薄いクッションを入れる。
→②お母さんの足を低い台(補強した段ボールでも)に乗せる。 - 赤ちゃんの口の位置が高すぎる場合は
→①お母さんの(授乳する側の)足を前に少し伸ばす。
→②お母さんが座っている椅子を高さの高いものに替える。(足裏が離れてしまうほどの高い椅子はNG)
タテ抱きでのコツ③:赤ちゃんとお母さんのおなかをくっ付けて、2人の体が密着するようにする
お母さんの足の付け根に乗せるようなつもりで赤ちゃんをしっかりと引き寄せ、2人のおなかがぴったり密着するようにします。
そうすると「深い吸着」にしやすくなるので痛みも少ないし、赤ちゃんが顔を少し上向きにできるので呼吸もラクにできるはずです。
タテ抱きでのコツ④:赤ちゃんが猫背になり過ぎないよう、赤ちゃんの後頭部~背中を全部支える
タテ抱きをする時は、こんな風に⇩赤ちゃんの首だけを支えるとグラグラして姿勢が安定しません。
このように⇩お母さんの腕全体を使って後頭部~背中までを全体的に支えましょう。
タテ抱きでのコツ⑤:赤ちゃんの頭~おしりは一直線になるようにする
自分では気づきにくいですが、タテ抱きでは赤ちゃんの姿勢を真っすぐにキープするのも大事です。
こんな風に⇩赤ちゃんの体がグニャっと曲がっていると、仮に深く吸いつかせることができても、その姿勢を維持するのが難しくなります。
こんな風に⇩赤ちゃんの頭~おしりが一直線になるように、お母さんの腕全体で抱きかかえましょう。
タテ抱きでのコツ⑥:片手を使って乳房を優しくつぶす
生まれたての赤ちゃんにとってお母さんのおっぱいは、大人にとっての巨大なハンバーガーと同じです。
そのままかぶりついても口の中にたくさん入ってこなくて、深い吸着にはならず「乳首が痛い!」の原因になります。
赤ちゃんの口の形に合わせて乳房を優しくつぶすようにすると(C字ホールド)、乳輪まで深く吸い付かせることができますよ。
タテ抱きの場合はこんな感じ⇩で「手首がヨコになるように」乳房をつぶすといいです。
こんな風に⇩手首がタテにくると、深い吸着を妨げてしまいます。
乳房のつぶし方(C字ホールド)について詳しく知りたい方はこちら⇩の記事もどうぞ。
タテ抱きでのコツ⑦:赤ちゃんの下あごをおっぱいに付けて、赤ちゃんの顔がちょっと上向きになるようにする
赤ちゃんに深く吸いついてもらって、それを維持するためには、赤ちゃんの顔が少し上向きになることも大事です。
この3点を意識してください。
- 赤ちゃんの首を少しうしろに反らせたような感じに
- 赤ちゃんの顔が少し上向きになる
- 赤ちゃんの下あごがおっぱいにくっ付く
私たち大人も飲み物を飲む時は少し上を仰ぎ見るようにしますよね?
赤ちゃんもうつむいたままでは飲みにくいですし、お母さんの体との密着度が下がってしまいます。
タテ抱きでのコツ⑧:赤ちゃんが大きな口を開けるのを待って、素早くくわえさせる
「あ~!赤ちゃんがおっぱい欲しがってる!早くあげなくちゃ!」
と、小さくしか開いていないお口に乳首をねじ込むように吸い付かせると痛いですし、母乳もあまり出ません。
赤ちゃんがあくびをしたように大きな口を開けるまで待ってから吸い付かせましょう。
- 泣き始めてから授乳を始めると赤ちゃんが怒り過ぎてうまくいかないので、モゾモゾしたり、手をなめたりしたら、泣き始める前に授乳を始める。
- 乳首の先で赤ちゃんの唇をなぞったりツンツンしたりして、大きなあくびをしたような口になるまで気長に待つ。
- 口を大きく開いたら口を閉じきる前に、素早く!でも優しく!口の奥深くに乳首が入るように赤ちゃんを引き寄せる。(お母さんが前かがみになってはダメ)
- もしタイミングを逃して浅いところまでしかくわえさせることができなかったら、何度でもやり直す。
「浅くてもとりあえず吸えてるからまぁいっか!」という妥協は「乳首痛い!」の元凶です。
タテ抱きでのコツ⑨:乳首が赤ちゃんの上あごに向かうように吸着させる
赤ちゃんの口に乳首を真っすぐ、舌に乗せるようにくわえさせると「浅い吸着」になりやすいです。
乳首を真っすぐ入れると、赤ちゃんの口の奥に入りきる前に赤ちゃんが吸い始めてしまい、結果的に「浅い吸着」になってしまうんですね。
乳首は赤ちゃんの上あご側に向けて入れた方がより深く吸着できます。
- 乳首を赤ちゃんの鼻の下でスタンバイ
(赤ちゃんの下唇はおっぱいにくっついた状態) - 赤ちゃんの唇を乳首で刺激して「あくび位の大きな口」になるまで待つ。
- 口を大きく開けたら、乳首が赤ちゃんの上唇をなぞるようにしながら吸着させる。
(赤ちゃんがおっぱいに「かぶりつく」ような感じ)
タテ抱きでのコツ⑩:赤ちゃんの唇を内側に巻き込まないように修正する
ここまでのコツを全部駆使してもそれでも「深く吸えてるはずなのに痛いな…」と思う時は、赤ちゃんの唇が内側に巻き込んでいる場合があります。
吸い付かせたら赤ちゃんの唇が外側にめくれているか確認して、巻き込んでいたら指で外側に出るように修正してあげましょう。
下唇の巻き込みは、赤ちゃんの下あごの皮膚を押し下げるようにすると修正できますよ。
助産師はよく「ドナルドダックみたいな口になるように!」と表現します。
今日6/9はドナルドダックのお誕生日。お祝いに、ディズニー公式サイトではドナルドが登場するショートアニメーションを配信中です。おめでとう☆ドナルド♪http://t.co/GUcq65qVA9 pic.twitter.com/z8VbufP7GY
— ディズニー公式 (@disneyjp) 2015年6月9日
まとめ
タテ抱きでの授乳のコツを10個にまとめました。
- 赤ちゃんをお母さんの太ももにまたがらせる
- 乳首と赤ちゃんの口の高さが同じになるようにする
- 赤ちゃんとお母さんのおなかをくっ付けて、2人の体が密着するようにする
- 赤ちゃんが猫背になり過ぎないよう、赤ちゃんの後頭部~背中を全部支える
- 赤ちゃんの頭~おしりは一直線になるようにする
- 片手を使って乳房を優しくつぶす
- 赤ちゃんの下あごをおっぱいに付けて、赤ちゃんの顔がちょっと上向きになるようにする
- 赤ちゃんが大きな口を開けるのを待って、素早くくわえさせる
- 乳首が赤ちゃんの上あごに向かうように吸着させる
- 赤ちゃんの唇を内側に巻き込まないように修正する
もう1つコツを付け加えるとしたら「深い吸着になるまで、何度でもやり直す」つまり「あきらめない」ということです。
コツというより精神論ですが。
他の抱き方でのコツも解説していますので併せてご覧くださいね。
どの抱き方での授乳にも共通する基本的なコツは、こちら⇩の記事にまとめていますので、併せてどうぞ!