母乳と粉ミルクを混ぜるのはナシよ!搾母乳を先にあげてね。

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助産師&母乳育児支援者&一児の母。 「ちょっとの勉強で、妊娠・出産・母乳・育児はもっとラクチンできる」「『母乳だけ』も混合栄養も全部母乳育児」という思いで、科学的な視点+リアル感覚の両方から周産期のことを解説しています。
母乳をなるべくたくさん赤ちゃんにあげたくて搾乳もしてるけど、ミルクも使ってる。

哺乳瓶2つに分けるのめんどくさいし、搾母乳とミルクを混ぜちゃって1回で終わりにしてもいい?

という疑問にお答えします。

この記事で分かること
 

  1. 母乳をミルクは混ぜない方がいいこと
  2. 母乳とミルクを混ぜない方がいい2つの理由




母乳と粉ミルクを混ぜるのはナシよ!搾母乳を先にあげてね。

直接授乳&搾乳もしながら、哺乳瓶や人工乳首の洗浄をするのは手間と時間がかかって大変ですよね。

より多くの母乳を赤ちゃんにあげようとなさっている努力・ご苦労に敬意を表します。

ミカ子
手間を減らして、少しでも休みたいというお気持ちはよく分かります。

質問の答えだけを言うと、母乳とミルクを1本の哺乳瓶(やカップなど)に混ぜるのはおすすめしません

母乳とミルクを混ぜるのがなぜダメなのか、その理由を2つにまとめていきますね。

理由①:もし飲み残したら廃棄しないといけなくて、母乳がもったいないから

⇧搾母乳の保存可能期間

飲み残しを冷蔵庫などに保存するのはおすすめできない

搾りたての搾母乳は、上記画像のように保存環境によって保管時間の目安が決まっています。

でも、一度赤ちゃんが口をつけた哺乳瓶やカップに残った搾母乳・ミルクを、もう一度冷蔵庫などに入れて保管するのはおすすめできません

その理由は雑菌が繁殖するリスクがあり衛生的でなくなるリスクがあるからです。

飲み残しを捨てるということは、苦労して搾乳した母乳を捨てることになってもったいない

「絞れる母乳は少しだし、廃棄なら廃棄でもいいの」と思う人もいるかもしれません。

でも、1滴の母乳には1滴の母乳のメリットがしっかりあるし、5mlの母乳には5mlの母乳のメリットがあって、

ミカ子
少量の母乳だから価値が低いということにはならないのです。

そんな貴重な母乳を捨てるのは本当にもったいないことです。

手間暇のかかる搾乳をしているお母さんならご存知だとは思いますが、いくら乳業会社が「今のミルクは母乳に近づけています!」と謳っていても、まったく同じにすることはできません。

人工乳には化学的に合成できる成分は入れることができますが、例えばマクロファージ(体内に侵入した細菌などの異物を捕食して消化し掃除する)などの「生きた成分」は配合できません。

ミルクにはない母乳のメリットは別記事で詳しく書いています)

母乳のメリットは「赤ちゃんに免疫がついて丈夫に育つ」だけではなく、もっと中長期的なメリットもありますし、お母さんへのメリットもたくさんあります。

苦労して絞った母乳が入ってるのに、飲み残して捨てるのは本当に惜しいです。

洗浄の手間は増えますが、せっかく搾乳しているのだから、母乳とミルクはミックスしないで分けて与えてあげてくださいね。

理由②:ミルクと混ぜることで母乳成分が変性する可能性があるから

母乳とミルクを混ぜない方がいい2つ目の理由は、「ミルクに搾母乳をミックスすると、母乳に含まれる成分の活性が失われるかもしれないから」です。

あまり知られていないかもしれませんが、

ミカ子
冷凍したり加温したりすると母乳中の成分が変性し、母乳のメリットが最大限発揮できなくなることが分かっています。
冷凍、低温殺菌によって変化を受ける母乳中の成分
  1. 冷凍によって変化する母乳成分:マクロファージ、好中球、リンパ球、脂肪
  2. 低温殺菌によって変化する母乳成分:IgA、ラクトフェリン、水溶性ビタミン、リパーゼなどの消化酵素

ミルクに含まれるリスクがあるサカザキ菌を死滅させるには、70℃以上のお湯で調乳する必要があります。

70℃以上のお湯で調乳するということは、哺乳瓶に入れた瞬間に下がる温度を勘案すると、80℃以上のお湯を準備する必要があります。

もちろん赤ちゃんに与える前には哺乳瓶を流水にあてて冷ます訳ですが、母乳を混ぜる時の温度が人肌まで確実に下がっているとは限らないと思います。

「人肌より高い温度のミルクに搾母乳をミックスすると、母乳に含まれる成分の活性が失われるかもしれない」というのは考慮すべきことだと思います。




赤ちゃんにあげる順番は、基本的に母乳→ミルクです

搾母乳とミルクを混ぜない方がいい2つの理由についてまとめてきましたが、ここでもっと基本的なことを書いておきます。

ミカ子
特別な事情がない限りは、赤ちゃんに与える栄養の優先順位は

  1. 直接母乳(お母さんのおっぱいから直接飲んでもらう)
  2. 搾母乳(温度の優先順位は、室温→冷蔵→冷凍)
  3. ミルク

です。

搾乳とミルクの両方を補足する場合は、搾母乳→ミルクの順番してくださいね。

先述したように、母乳のメリットは「赤ちゃんに免疫がついて丈夫に育つ」だけではありません。

お母さんと赤ちゃんへの母乳育児のメリット・利点」に詳しく書いていますが、例えば赤ちゃんへの母乳のメリットは

  • 急性リンパ性白血病のリスクを低下させる
  • 予防接種の効果が高まる

など、もっと中長期的なメリットもあります。

お母さんへのメリットでも

  • 卵巣がんの発症リスクを下げる
  • 子宮体がんの発症リスクを下げる
  • 閉経前の乳がんの発症リスクを下げる

などの一般的にはあまり知られていないかもしれないメリットが実はたくさんあります。

ですから、先にミルクを飲ませて赤ちゃんのお腹が満たされてしまい、本来は飲めるはずだった母乳を飲み損ねるのはとてももったいないんです。

赤ちゃんがギャン泣きする程お腹を空かせてしまうと、直接母乳をイヤがることもよくあります。

ミカ子
赤ちゃんの様子をよく見て、「泣く前に授乳を始める」というのも大事なポイントです。
赤ちゃんが泣く前の、授乳に適した早期のサイン
  1. 乳房を吸うように口を動かす
  2. 手を口に持っていく
  3. クーとかハーというような柔らかい声を出す
  4. 乳房を吸う時のような音をたてる
  5. 素早く目を動かす
  6. むずがる

水野克己ほか:「改訂第2版 よくわかる母乳育児」より




まとめ

  1. 母乳をミルクは混ぜない方がいいこと
  2. 母乳とミルクを混ぜない方がいい2つの理由

についてまとめてきました。

この記事のまとめ
  1. 母乳とミルクは同じ哺乳瓶・カップにミックスしない方がいい。
  2. 理由①:もし飲み残したら廃棄しないといけなくて、母乳がもったいないから
  3. 理由②:ミルクと混ぜることで母乳成分が変性する可能性があるから
  4. 赤ちゃんに与える順番は、(特別な事情がない限り)直接母乳→搾母乳→ミルク
  5. 搾母乳の優先順位は、室温→冷蔵→冷凍

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