母乳育児での哺乳瓶の練習「必要?いつから?やり方・方法は?拒否されたら?」

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  1. 生後1年以内に復職する予定
  2. 他の家族に預かってもらっている間は哺乳瓶で飲んでほしい

こんな場合は、母乳だけで育っている赤ちゃんでも、哺乳瓶での授乳が必要と感じることもありますよね。

このページでは、母乳育ちの赤ちゃんが、乳頭混乱に陥って母乳を飲まなくなるリスクを抑えながら哺乳瓶の練習をするコツについてまとめます。

乳頭混乱とは

お母さんの乳首と哺乳瓶の人工乳首とでは、

  1. 乳首の食感
  2. 温度
  3. 分泌のスピード
  4. 抱かれ心地

何もかもが違います。

赤ちゃんが人工乳首に慣れて、そちらの方が「ラク」とか「好き」になって、直接母乳を拒否する状態を「乳頭混乱」と呼びます。

お母さんの乳首・人工乳首のどちらからでも上手に飲める赤ちゃんもいますが、2つの違いを敏感に感じ取って、飲むのがよりラクな哺乳瓶を好む赤ちゃんもいるんですね。

具体的には授乳時にのけぞってイヤがったり、お母さんの乳首を口にしてもうまく吸えない状態になります。

哺乳瓶の練習は母乳育児が軌道に乗った「生後2か月頃から」が目安

哺乳瓶の練習を始める時期について正解はありませんが、母乳育児を続けたいと思っているのなら、最初から哺乳瓶の練習を併用しない方がいいと思います。

その理由は、冒頭にも書いた乳頭混乱になって、母乳を直接飲まなくなる可能性があるからです。

いったん乳頭混乱になると、その解消には多大なエネルギーを使います。

うまく吸えないでいる間に、母乳が出なくなってしまう可能性もあります。

母乳も与え続けたいと考えているなら、まずは母乳育児の方を軌道に乗せることを優先しましょう。

具体的な哺乳瓶練習開始の時期の目安としては生後2ヶ月頃からです。

2ヵ月くらい経つと、お母さんも授乳のテクニックを十分習得しているでしょうし、赤ちゃんも「自分の基本の栄養はおっぱい」と認識してくれていると思います。

哺乳瓶練習方法の3つのコツ

「生後2ヶ月くらいになって、母乳育児が軌道に乗ってから哺乳瓶の練習を始めましょう」と書きました。

中には、練習の必要がないくらい、すんなり哺乳瓶からも飲んでくれる赤ちゃんもいます。

一方で、生後2ヶ月頃になると乳頭混乱とは逆の現象、つまり「おかあさんのおっぱい以外は飲みたくない」と、哺乳瓶を断固拒否する赤ちゃんもいます。

そんな時に、哺乳瓶の練習をスムーズにしてくれるヒントを3つ、ご紹介します。

コツ①:赤ちゃんに真剣に事情を説明する

冗談に聞こえるかもしれませんが、マジメに、赤ちゃんへの十分な説明は大事だと思います。

具体的にはこんな感じのこと⇩を説明してあげればいいのかなと思います。

赤ちゃんへの説明の例
  1. お母さんはもう少ししたら仕事に行くから(用事で出掛けるから)、その間は保育園(祖父母宅)で待っていてね。
  2. お母さんがお仕事の間(お出かけの間)はおっぱいをあげられないから、その間だけ哺乳瓶から飲んでね。
  3. お母さんが帰ってきたら、いつも通り授乳できるから安心してね。
  4. 元気に大きくなるために、お母さんがお出かけしてる間は哺乳瓶で飲んでほしいの。お願いね。

先述したように、ある日突然哺乳瓶からミルクを与えるというのは、

  1. 乳首の食感
  2. 温度
  3. 分泌のスピード
  4. 抱かれ心地

いろいろな感触が、何もかも変わるということです。

赤ちゃんがビックリして哺乳瓶を拒否したとしても、無理もないことだと思います。

赤ちゃんは言葉そのものを理解することはできないかもしれませんが、お母さん(あるいは他の養育者)が一生懸命説明しようとしてくれているのは理解しているように思います。

バカげて聞こえるかもしれませんが、「赤ちゃんへの事情説明は丁寧にする」というのは本当に大事なコツです。

コツ②:「お母さん以外の人」が「いつもの授乳場所と違う所」ですること

いつもおっぱいをくれるお母さん自身が、いつもの授乳をするような雰囲気で哺乳瓶授乳にトライすると、

「なんでココにおっぱいがあるのにくれないの~~!」

と言うかのように拒否されることがよくあります。

哺乳瓶の練習は、

  1. お母さん以外の人
  2. いつもの授乳場所とは違う環境

するとよりいいと思います。

その時にお母さんが赤ちゃんの視界に入ったり、近くにいる存在感があったりすると、うまくいかない可能性が高まります。

お母さんは別室に行ったりして、その場にいない方がいいかもしれません。

この時も「今度、哺乳瓶で飲まないといけない日が来るから、練習してみようね」と声かけしてから練習してくださいね

コツ③:哺乳瓶の中身を搾母乳にしてみる

コツ①で、哺乳瓶授乳にするということは、

  1. 乳首の食感
  2. 温度
  3. 分泌のスピード
  4. 抱かれ心地

のすべてが変わることだから、赤ちゃんが戸惑うのも無理はないと書きました。

この4つの内、①の味については対処ができます。

具体的には、ミルクではなく、絞った母乳を哺乳瓶に入れてみるとうまくいくかもしれません。

搾乳方法搾乳の保存については別の記事にまとめていますので、参考にしてください。

練習しても哺乳瓶拒否したらどうするか?4つの対処法

ご紹介した3つのコツを駆使しても、それでも哺乳瓶を拒否される場合もあると思います。

そんな時の対処法4つです。

対処①:カップで試してみる

「哺乳瓶の人工乳首の独特な感じがどうしてもイヤ」赤ちゃんは、カップ・コップで飲ませてみるという選択肢があります。

「赤ちゃんがコップで飲めるの!?」

と思う人もいるかもしれませんが、生まれてすぐの赤ちゃんでも安全にカップやコップから飲めることが分かっています。

こぼれる量を見越して、少し多めにミルク・搾乳を準備する必要はありますが、少しのコツで簡単に飲ませることができますよ。

こちらの⇩動画が分かりやすくまとめられていますので、参考にしてください。

対処②:色々な乳首を試してみる

「預け先の都合で、カップはちょっと現実的じゃない…」という場合は、とにかく色々な乳首を試して、一番マシな乳首を見つけます。

どの乳首に落ち着くかは本当に赤ちゃんそれぞれなので、何とも言えないですが…

あえて候補を上げるなら母乳相談室(「母乳実感」とは別モノなので注意)なら何とか…という赤ちゃんが一応多いかなと感じています。

口を大きく開けて飲むところ、中身が流れ出る量を乳首の締め具合で調整して赤ちゃんの好みに合わせやすい、という点がいいのかもしれません。

対処③:色々なミルク、温度を試してみる

大人と同じように、赤ちゃんにもキャラクターがしっかりあります。

  1. 細かいことに特にこだわりなく、ドン!としている子
  2. 些細な変化にも気付いて、いつもと違うこと・自分の好みと違うことはイヤがる子

のように、本当に色々な赤ちゃんがいます。

②のようなキャラクターの赤ちゃんだと、「ミルクの味や温度がいつもの母乳と違う!」と敏感に感じて拒否することもあるようです。

乳首同様に、ミルクのメーカーを変えてみるのも1つの選択肢です。

あと見過ごされがちなのは、「温度」です。

なんとなく人肌にしたつもりでも、いつもの母乳の温度との違いを敏感に感じる子もいるので、ほんのちょっとぬるくしたり、熱くしたり、微調整することでうまくいくこともあります。

対処④:最終的にはできないままでも何とかなる!とドンと構える

ここまで基本のコツを3つ、それで拒否された場合の対処法を3つ、合計6つのポイントについてまとめてきました。

ここまでやり尽くしても…

それでも哺乳瓶拒否をする赤ちゃんもいます。

「これじゃ、預けられない…」と心配になると思いますが、哺乳瓶授乳ができないままでも結果的には何とかなることがほとんどです。

本当にお母さんが出掛けて、いつもなら拒否してしばらくすればおっぱいをくれるのに今日はもらえない…となると、四苦八苦の挙げ句にではありますが、飲んでくれるようになったという報告をたくさん聞きます。

赤ちゃんにも生きるための本能がありますし、預かる人が保育士さんならやはりプロなので、うまく対処してくださるんだと思います。

もし哺乳瓶の練習がうまくいかなくても結果的にはどうにかなるはずなので、そんなに心配しなくても大丈夫ですよ。

まとめ

母乳で育つ赤ちゃんへの哺乳瓶の練習について、始める時期ややり方のコツについてまとめてきました。

【始める時期】母乳育児が軌道に乗る生後2か月頃が目安

【練習のコツ】

  1. 赤ちゃんに真剣に事情を説明する
  2. 「お母さん以外の人」が「いつもの授乳場所と違う所」でする
  3. 哺乳瓶の中身を搾母乳にしてみる
  4. カップで試してみる
  5. 色々な乳首を試してみる
  6. 色々なミルク、温度を試してみる
  7. 最終的にはできないままでも何とかなる!とドンと構える

1歳前に母乳育児をしながら職場復帰したい場合の搾乳については「1歳前に仕事復帰する時の搾乳について」にまとめていますので、併せてどうぞ。

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