最新記事 by みかこ (全て見る)
- 中絶したいくらいツライつわりもある。 - 2020年5月7日
- 【つわり】改善する食べ物ってあるの?いつ終わるの? - 2020年5月6日
- 妊婦健診に行けない!仕事が休めない妊婦はどうしたらいい? - 2020年5月6日
母乳育児を始めて、多くの人が最初の頃に困るだろうこと。それは…
このページでは「母乳が赤ちゃんに必要なだけ飲めているかどうか」の判断方法についてまとめています。
結論だけ言うと、こうなります。
- 母子手帳に載ってる成長曲線に沿って体重が増えている。
- 1日6回以上、薄いおしっこがたっぷり出る。
この2つに当てはまってるのなら、赤ちゃんがどんなにグズグズしていようが泣いていようが、母乳(栄養)は足りています。
「母乳、足りてるのかな?」と思った理由はなんですか?
あなたがこのページを読んでくださっているのは、少なからず「私の母乳足りてる…?」と疑問・不安になったからだと思います。
- 赤ちゃんがほとんど1日中泣いてばかりいる。
- 授乳や抱っこをしていないと寝てくれない、泣いてしまう。
- 1日8回くらいの授乳だと思っていたのに、1日10回以上も授乳している。
- 家族や周囲の人に「母乳足りてないんじゃない?ミルク足せば?」と言われた。
- おっぱいが張らなくなった気がする。
結論だけ言うと、どれも必ずしも「母乳不足」の定義には当てはまりません。
お母さん・お父さんが母乳不足かどうか判断するには、これから説明する2つの方法があります。
母乳不足かどうかの見分け方①:成長曲線に沿って赤ちゃんの体重が増えているか?
「成長曲線て何?」という方のために、こんなの⇩です。(女児と男児で別ページになっています)
この曲線を活用するためには、当然身長・体重測定をする必要があります(少なくとも体重は)。
ですから生後しばらくは、1ヶ月に1回程度、身長・体重測定するのがおすすめです。
「1ヶ月に1回程度の身体計測がおすすめ」と書きましたが、ほとんどの場合は体重計を買ったりレンタルする必要はありません。
あまり大々的に情報発信されていないだけで、各自治体で赤ちゃんの体重測定ができる機会を作っていることが多いからです。
例えば…
- 保健センターの身体計測日
- 児童館の身体計測日
- 子育て支援センターの身体計測日
- ショッピングモールの授乳室に備え付けの乳児用体重計(正確性には欠けるかも)
自宅体重計だと、「50~500g単位」でしか体重測定できない場合も多いので、このような⇧機会を大いに活用しましょう。
公的機関の体重計は1~2年に1回、「この体重計は本当に正確に測れているか」の検定をしているはずなので、より正確な情報を得ることができてオススメです。
(特に保健センターの場合は、身体計測日に合わせて保健師・栄養士などの専門職が相談に乗ってくれることもあり、おすすめです。)
成長曲線がどうなってればいいか?
結論は、
「こういう曲線なら、だいたいいい感じに飲めてるよ」というグラフの例を挙げてみますね。
- 3000gで産まれて平均的な体重で推移していく赤ちゃん(私の子どもの実際の曲線)
- 小さめに生まれて、小さめのまま育っていく赤ちゃん
- 大き目に生まれて大きめのまま育っていく赤ちゃん
- 大き目に生まれて、徐々に平均的な大きさに育っていく赤ちゃん
反対にこんな曲線⇩だとかなり心配です。(あまり現実的じゃない曲線ですが)
- 緑の〇:平均的な体重で生まれたのに、曲線の下限に向かっている=体重増加が良くない&栄養が少ない可能性大
- 青の〇:体重が極端に急激に増加している=ミルクを足し過ぎている
「1日当たり〇g以上の体重増加」という指標について
成長曲線のほかに、赤ちゃんがよく飲めているか・育っているかのもう1つの指標に、
「1日〇g以上の体重増加(よく使われるのは30g)」
というものがあります。
でも、赤ちゃんの育ち方には「個性」があります。
極端な話をすれば、例えば2000gで生まれた赤ちゃんと4000gで産まれた赤ちゃんとでは、当然飲み方も育ち方も違うわけです。
「1日〇g以上の体重増加」というのは目安にはなりますし、生後1~2ヶ月以内の短期(曲線で読み取りにくい時期)では使いやすい指標です。
でも、全員の赤ちゃんに「1日〇g以上の体重増加」を当てはめるのは画一的過ぎるというか、ちょっと無理があります。
WHO/UNICEFが示す「母乳だけで育つ乳児の体重増加の基準」では以下のように書かれていて、その幅の広さに驚く方も多いと思います。
- 生後6ヵ月頃までは1日の体重増加は18~30g
- 1週間の体重増加は125g以上
- 生後5~6ヶ月で出生体重の2倍、1年で3倍
母乳不足が考えられるのは、生後6ヵ月になるまでは
- 1ヶ月の体重増加が500g以下
- あるいは、生後2週間を過ぎても出生体重に戻らない場合
だから、特に一般のお母さん・お父さんが「母乳(栄養)が十分足りてるか」判断する時には、「1日〇g以上の体重増加」の基準よりも成長曲線の方が役に立つわけです。
母乳(栄養)が足りているかどうかの判断基準は体重だけでなく、赤ちゃんの皮膚の状態や活発度など他にも指標があります。
小児科の先生はそれらを総合的に判断して「母乳(栄養)が足りているか」判断しているはずです。
あまりない話ですが「浮腫(むくみ)で体重が増えている場合」は、いくら体重が増えていると言っても順調とは言えないですよね。
ただ一方で、先生自身の経験や考えとして「どの赤ちゃんも1日30g以上の体重増加は必要」としている場合もあります。
小さめに生まれた赤ちゃんや、ゆっくり育っていく個性の赤ちゃんを育てている場合、こういう先生をかかりつけ医にすると大変かもしれません。
- 成長曲線の上下ラインのどちらかにだいたい平行
- 「健康だけど体重が少ない」と言われた
場合は、母乳育児(母乳で育つ子の個別性)に理解がある医師にかかりつけ医に変えることで、問題解決する場合もあります。
母乳不足かどうかの見分け方②:薄くてたっぷりのおしっこが1日6回以上出ているか?
見分け方①で紹介した「成長曲線に沿って育っているか?」は体重を測る必要があるので、「毎日の評価」ができません。
日々の授乳量が足りていそうかどうかは、「おしっこの回数・色・ずっしり感」で判断できます。
以下の3点が「よく飲めている」指標になります。
- 1日6回以上出る
- 薄い色のおしっこが出る
- ずっしりオムツが濡れる
生まれたばかりの赤ちゃんがあまりにグズグズすると「飲んだら出る」という当たり前のことが思い浮かばず、「私の母乳が足りないに違いない!」と思い詰めてしまう人も多いです。
…が、「飲んだら出る」「飲まなきゃ出ない」は基本ですよね。
先述した3つの条件を満たすだけおしっこが出ているのなら、アタフタするほど思いつめなくても大丈夫!
次の体重測定できる日を待つか、待てないほど不安なら母乳外来や小児科受診をしましょう。
授乳回数が多い・赤ちゃんがグズグズするのは、必ずしも母乳分泌が少ないせいじゃない。
「母乳足りてないかも」と感じる人のお話をよく聞いてみると、
- 自分が思っていたよりも授乳回数が多い。
- 赤ちゃんがよく泣く。
といった理由を持っている人が多いです。
私自身も1日20回授乳、抱っこしないとまったく寝ない赤ちゃんを育てたので、その大変さはよく分かります。
でもどちらの理由も、母乳不足の見分け方①・②を満たしているなら、「頻繁に飲みたがる」「よく泣く」要因は授乳以外にあります。
「頻繁に飲みたがる」「よく泣く」理由としては、例えばこんなものがあります。
- お母さんに(誰かに)抱っこされていないと不安・落ち着かない。
- 個性として少しずつしか飲めない。1回量の少なさを回数でカバーしようとしている。
(赤ちゃんの胃の容量は、生後3日目:ビー玉くらい、生後10日目:ピンポン玉くらい) - 母乳だけで育つ赤ちゃんの場合、最初の1ヶ月は授乳回数が10~20回になるのが普通。(10回は少ない方です)
- 温かくて、体を丸められる(子宮内のような体勢で)しか眠れない。
- おなかにガスや空気がたまって苦しい。
「赤ちゃんが泣いている=おなかが空いている」わけではないので、見分け方①・②を満たしているのなら、落ち着いて他の要因を考えてくださいね。
産後しばらくすると、おっぱいは張らなくなるのが普通です。
「頻繁に飲みたがる」「赤ちゃんがよく泣く」以外に「母乳が足りないかも」の理由に多いのが「おっぱいが張らなくなった」です。
結論から言うと、
産後数日(たいていは2~3日)は母乳が急激に作られるのに、母乳の出口が少なかったりするために、おっぱいが張ります。
でも産後5日目以降(つまり退院した直後~)は、パンパンには張らないのが正常です。
理由は2つ。
- 母乳の出口の本数も増えるから。
- 赤ちゃんがしっかり飲み取れるようになるから。
おっぱいが張っても張らなくても、母乳不足かどうかの見分け方①・②を満たしているなら母乳はよく出ているし、赤ちゃんがよく飲み取っています。
裏を返せば、「常に張っているおっぱい=古い在庫母乳を抱えたおっぱい(母乳過多気味)」とも言えます。
「張ってる=よく出るおっぱい」ではないんですよ。
まとめ
母乳が足りているかどうかの見分け方についてポイントを2つご紹介しました。
- 成長曲線に沿って赤ちゃんの体重が増えているか?
- 薄くてたっぷりのおしっこが1日6回以上出ているか?
お母さん・お父さんが日ごろの生活の中で判断できる指標はこの2つです。
「見分け方①・②を満たしていれば母乳不足ではない」と繰り返してきましたが、それが分かっていても赤ちゃんが頻繁にグズるのはつらいですよね。
「母乳だけ=すべての母子にとってベスト」ではないと思うので、お母さんの心身のストレスが大きい場合には「ここは寝ておいて!お願い!」というタイミングでたまにミルクを使うのもアリですよ。
赤ちゃんの身体には母乳だけがベストかもしれませんが、母乳育児が原因でお母さんが心身を病んでしまってはナンセンスですよね。
まずはお母さんの体と心が元気でいられること・赤ちゃんが順調に大きくなることが最優先です。
母乳育児と疲労・ストレスは天秤です。
バランスをとって、「私たち親子にはこれがいい」という絶妙なポイントを見つけてくださいね。
母乳ってどれくらい飲んでるのか分からない…
ちゃんと飲めてるの?