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このページでは、母乳育児のことを相談するときに、できるだけいい外来・開業助産院・出張助産師を見分けるコツについてまとめています。
突き詰めて考えれば、どんな相談先がいいかは「人それぞれ」ですが、ここでは「一般的にはどうか」というところにスポットを当てます。
条件①:話をしっかり聞いてくれる。
母乳育児に限らず、子育て関連の困りごとの背景には、必ずと言っていいほど「お母さん(あるいはお父さん)の精神的な疲れ・困りごと」が隠れています。
母乳育児の相談先を探す時の大前提条件は、「お母さんの話を途中で遮らず、最後まで聞いてくれる人・場所」です。
- 出産(あるいは妊娠中)~これまでの経緯
- 大変だと感じていることの詳しい事情
- その「大変」「困った」に今までどう取り組んできたか・工夫してきたか
を聞こうとしてくれる相談先がいいですね。
当たり前のことだと思いますが、意外とこれを実行してくれる相談先が少ないのです。
条件②:否定せず、これまでの努力・苦労をねぎらってくれる。
条件①「話をしっかり聞いてくれる」の次に大切な条件が、以下の3点です。
- 「大変」「困った」に今まで試行錯誤してきたことを否定しないこと。
- 仮に客観的に間違ったやり方だったとしても「頑張ってきたんですね」とねぎらってもらえること。
- 「あなたの~~してきたことは、本当に素晴らしいことですね」と肯定してもらえること。
世の中の母乳外来には、残念ながら日ごろの子育て方法・授乳方法・生活習慣などを強く叱るところも存在します。
例え間違っている方法だとしても、相談するその日まで一生懸命取り組んできたのは間違いないと思うのです。
そういう親の姿勢を肯定してくれるのが「いい支援者」「いい母乳外来」です。
条件③:「母乳外来には困った時に来ればいいよ」というスタンス
母乳相談外来は保険診療ではなく自費で、どんな支援内容でも「1回いくら」なので、とにかくたくさんの人に繰り返し利用してほしいという心理が働きます。
経営的にはそれが正解だと思いますが、「母乳育児・子育て支援」という視点から見ると「相談外来がないととても育児してけない」という依存的な関係性を結ぶのは、支援の本質とは離れると思います。
お母さんと母乳育児支援者が「共依存的な関係」にならないためには、最低での以下の2つのような外来は避けた方が無難です。
「乳房マッサージありき」ではない。
お母さんが望んでいないのに「定期的なマッサージ」を強く勧めてくる母乳相談外来はあまりおすすめしません。
こんな風に↓「マッサージの重要性」を説いてくる支援者もいますが、注意が必要です。
- 定期的にマッサージすると「いいおっぱい」「おいしいおっぱい」になるよ。
- 時々マッサージをしないと、流れが悪くなりそうね。
乳房マッサージをしてもらうと「気持ちいい」と感じる人が少なくないのも事実ですが、マッサージ自体の効果は科学的に立証はされていません。
乳房マッサージは言い換えれば「効果的な1回の搾乳」です。
でも、もっともっと効果的な搾乳は「赤ちゃんがおっぱいを深くくわえて、繰り返し飲み取ること」です。
「たった1回」ゴッドハンドのマッサージを受けられても、帰宅後に何十回も何百回も授乳するのはお母さんと赤ちゃんです。
ですから、
- 助産師やマッサージなしで、基本的にお母さんと赤ちゃんの2人で上手くいくように支援してもらえること
- 「困った時はまたあそこに行けばいいわ」と気軽に思えること
が大切なのです。
不必要に長期間に渡って継続受診させようとしない。
上記の「乳房マッサージありき」の外来と共通する部分もありますが、
- 必要性が低く、
- お母さんも望んでいないのに、
- 長期間に渡って定期的に予約を取ろうとする母乳相談外来
も注意が必要です。
お母さんが「精神的なお守り・気持ちの発散のために〇週間に1回くらいは行きたい」と思うならもちろんOKだと思います。
でも、トラブルもないのに支援者側から「〇週間毎に来てね」と勧めるのは、「支援者(多くは助産師)がいなければ順調に母乳育児はできない」ということを前提にしたような支援で、あまり良心的とは言えないと思います。
ここでは、「必要性も低く、お母さんも望んでいないのに、長期間に渡って定期的に予約を取ろうとする母乳相談外来も注意が必要」と表現しました。
もちろん継続受診が必要なケースもあって、それは例えばこんな時です。
- 混合栄養だけど、徐々にミルクを減らして母乳を与える量を増やしていきたい場合
ミルク量を少しずつ段階的に減らし、授乳回数を増やすように戦略を立てますが、その過程で赤ちゃんの体重・母乳分泌状況を定期的に確認する必要があります。 - 乳腺炎になった場合
重症度にもよりますが、乳腺炎になるとその影響が少なくとも数日~1週間程度は持続します。
時には炎症によって母乳分泌量が減ることもあります。
経過を観察したり、授乳方法の見直しをするために、連日(あるいは数日毎)に受診が必要な場合もあります。
条件④:赤ちゃんも一緒に連れて行くことができる。
乳房マッサージを支援の核にしている母乳相談外来では「赤ちゃんの同伴はNG」というところもありますが、継続受診が必要になった場合のことも考えるとできるだけ赤ちゃん同伴で受診できる外来がいいと思います。
単発で計画的に受診できる場合なら家族に赤ちゃんを預けて出掛けることもできますし、お母さん1人で外出することでリフレッシュできる場合もあります。
でも一方で、こんなことが懸念されます。
- 母乳育児のトラブルの原因になるのは「授乳姿勢」「授乳方法」であることがほとんどなのに、肝心の実際の授乳をみてもらえない。
- 頻回授乳の場合は、そもそも人に預けての外出が難しい。
- 受診の度に家族に都合をつけてもらったり、ベビーシッターを雇うのが現実的ではない。
条件⑤:場所・値段など通いやすい条件がそろっている
できるだけ自宅から近い。
ケースバイケースですが、母乳相談外来は何回か継続しての受診が必要になる場合も多いです。
「赤ちゃん同伴」にせよ、「赤ちゃんを預ける」にせよ、どちらも手間と負担がかかります。
移動時間が少ない場所、交通アクセスがいい場所に越したことはありません。
継続受診になっても大丈夫な価格設定
母乳相談外来は保険診療ではなく自費です。
ですから値段は一律ではありません。
必ず受診前に料金の確認をしましょう。
バラつきはありますが、一応の目安は
- 初診:5000~6000円程度
- 再診:3000~4000円程度
- 出張相談の場合:上記+出張料+交通費
となります。
自治体によっては、母乳相談外来にも使える「助成制度」がある場合があります。
例えば群馬桐生市では「1回の母乳外来自己負担金に対して1,000円で、上限5回まで」の助成制度になっています(2019年2月時点)。
お住まいの自治体で似たような制度がないか是非調べてみましょう。
5つの条件をどう調べるか?3つの方法
「おすすめの母乳相談外来を見分ける5つの条件」についてまとめてきましたが、
「それをどうやって調べればいいの?」
というのが当たり前の疑問ですよね。
「〇〇母乳外来 口コミ」と検索して調べることが多いと思いますが、ネット上の情報は参考にはなりますが、信頼性はあまり高くないと思います。
なぜなら、わざわざ書き込む人は
- よほど素晴らしいケアをしてもらった(と感じている)か
- よほどひどい目に遭った(と感じている)か
のどちらかの場合が多いからです。
その①:人に聞いてみる。
5つの条件の調べ方の1つ目は、つまりアナログ式口コミ収集です。
近所にいわゆる「ママ友」がいない・少ない場合は、児童館・子育て支援センターでの情報収集がおすすめです。
- 他のお母さんに聞いてみる。
母乳育児の話題に触れてほしくない人もいるので、授乳室で一緒になった人とか「明らかに母乳育児してる人」に声を掛けるのがおすすめ。 - スタッフに聞いてみる。
児童館・子育て支援センターでは毎日毎日たくさんの親子が出入りするので、スタッフの情報力はあなどれないものがあります。
もしスタッフ自身が分からないことでも、その場で調べてくれたり、情報を持っていそうなお母さんを紹介してもらえたりする場合もあります。
その②:電話してみる。
次が、直接母乳相談外来に電話してみること。
口コミも参考になりますが、「直接支援者やその施設の人間と話してみて『あなたが』どう感じるか?」は大事な要素です。
診察中の可能性も高いですから長い話は禁物ですが、電話の口実は些細なことでOKです。
- 予約可能日はいつですか?
- ~~ことで困っていますが、みてもらえますか?
などなど、予約電話での応対・雰囲気は重要な情報です。
「忙しいんだろうけど、なんかイヤな感じだな」と思ったら避けた方がいいだろうし、「優しそうないい雰囲気だな」と思ったら試す価値ありです。
その③:1度受診してみる。
結局のことろ、実際に受診してみないと自分にとって「アタリかハズレか」は分かりません。
周囲の口コミが劇的に良くても、あなたに合わない可能性は大いにあります。
トラブル急性期の場合は、できるだけ最初に受診した外来を継続した方が得策です。
でも「どうしてもイヤ!」と感じた場合で、近所に他にも選択肢があるなら、他の相談先に変更した方がいい場合もあります。
残念ながら、「行くとむしろ精神的にまいる母乳相談外来」も存在しますので。(「【口コミ】2ヵ所の桶谷式母乳育児相談室に行った感想」参照)
まとめ
「おすすめの母乳相談外来を見分ける5つの条件」についてまとめました。
条件は、この5つでした。
-
話をしっかり聞いてくれる。
-
否定せず、これまでの努力・苦労をねぎらってくれる。
-
「母乳外来には困った時に来ればいいよ」というスタンス
-
赤ちゃんも一緒に連れて行くことができる。
-
場所・値段など通いやすい条件がそろっている
「条件に当てはまる母乳相談外来がない」「お金を掛けて個人的に相談するほどじゃない」場合は、無料で参加できるボランティア団体ラ・レーチェ・リーグの「母乳育児の集い」もおすすめですよ。