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このページでは、母乳育児をしたいお母さんを支援するボランティア団体「ラ・レーチェ・リーグ」の「母乳育児の集い(参加無料)」に参加した感想です。
対象は「母乳だけ」の母子のみでなく、母乳とミルクの混合栄養の親子も母子ですので、ほとんどの親子が参加できます。
母乳育児を考えている妊娠中の方にもおすすめです。
感想の結論だけを言うと、
- 母乳での子育てついて誰かとおしゃべりしたい人
- 母乳育児で悩んでいる人
- 科学的根拠のある母乳育児情報を勉強したい人
- 何も困っていないけど普段の苦労を誰かと分かち合いたい人
- まだ妊娠中だけど/妊娠もしてないけど、母乳育児に興味があって、母乳育児に関する情報が欲しい人
に非常にオススメできる…というか、安心して参加してもらえる!と思いました。
ラ・レーチェ・リーグの「母乳育児の集い」に参加した理由
私が「母乳育児の集い」に参加したのは、娘が1歳3ヵ月頃のこと。
参加した直接の理由は、「超頻回授乳+少食&偏食」が1歳を過ぎてもまったく解消しそうになくて不安になったからでした。
周辺の保健センター・子育て支援センターの栄養士からは「母乳をやめれば食べるようになる」という根拠のない助言しかもらえませんでした。
私は助産師なので、この「母乳をやめれば食べるようになる」がいかにナンセンスなアドバイスか分かっていました。
ですから、母乳をやめる(断乳する)ことは検討せず、母乳育児を続けながら解決する糸口を探していました。
それで、かねてからずっと関心があったラ・レーチェ・リーグの「母乳育児の集い」に参加してみようと思ったんです。
「母乳育児の集い」の流れ・実際にやること
以下の内容は、私が参加した場所での流れです。
場所が違えば多少違うこともあるかと思いますので、参考程度にご覧ください。
- 私が参加した集いは会議室のような場所で、畳の部屋ではありませんでしたが、子どもが眠ってしまった時に寝かせられるスペースが作られていました。
- 集まった参加者は子どもを抱いて、円になって椅子に座ります。(私が参加した時は5~6組でした)
- 最初に、集いでの注意点について説明があります。
- 自己紹介と最近困っていることなどを1人ずつ話します。
- 話した内容を基に、リーダーの方が「具体的にこんなところを頑張ってるんですね!」という部分を、静かに・熱烈にねぎらってくれます。
- リーダーの人が、同じような経験があるお母さんがいないか聞いてくれたり、いればどうやって対処しているか情報を共有します。
- お母さん同士で出し合った情報で足りない部分を、リーダーの人が「一つの選択肢」という形で情報提供してくれます。
- 参加者から出た話題が一通り終わったところで、それぞれが持参した食べ物をテーブルに出してランチ会をします。
ランチ会の間も、さっき話しきれなかったことや母乳育児とは関係のない子育て関連の情報交換が盛んに行われます。 - 「ラ・レーチェ・リーグ・インターナショナル」という団体についての説明や入会案内がサラッとありますが、「是非入会を!」とはまったく言われません。
- 団体が所有する母乳育児に関する書籍の貸し出しをしています。借りた本は翌月の集いで返却すればOK。
- 時間になったらサクッと解散します。
「母乳育児の集い」に参加した私の感想
私は仕事柄、前情報を色々と持っていたので「だいたいこういう感じのことをやるんだろうな」という見当は付いていました。
でもそういう心づもりがあっても、実際に参加すると本当に素晴らしいことばかりで感激しました。
しかも、この活動に無料で参加できるんです。
私が特にいいなと思った6つの点についてまとめていきますね。
その①:専門家の肩書がある人はいない。参加者はみんな「お母さん」
集いをファシリテートするリーダーの方は、あくまで「母乳育児経験のある一人の女性」というスタンスです。
だから、よくある母乳育児講座とか両親学級のように、講師⇔聴講者という上下のある関係性ではありません。
リーダーと参加者のお母さんたちは「みんなが母乳育児に関心がある一人の女性」という感じで、とても対等な雰囲気でした。
この「対等な雰囲気」を文章で言い表すのはとても難しいんですが、とにかくその感じが居心地がいいんです。
それから、集いに参加すると最初に注意事項の説明がありますが、その中で、「もし仮にあなたが医師・助産師・看護師・保育士のような母乳育児や保育に関するプロでも、この集いではそのバックグラウンドは明かさず、あくまでも一人の『お母さん』として参加してくださいね」と言われます。
リーダーだけではなく、参加者のお母さんたちも対等なただのお母さん。
専門家がいることで萎縮する人もいないし、専門家の人も肩肘張らずに参加できるし、「みんな子育てを頑張っているお母さん同士だよ」という雰囲気がとても心地よくて良かったです。
その②:自分の話を最後までじっくり聞いてもらえる。
健診・児童館・病院なんかで専門職の人(助産師・保健師・看護師・保育士・栄養士のような人)に相談したとき、相談内容の最初の方の話しか聞いてないのにアドバイスを始める人に出会ったことはありませんか?
私は滅茶苦茶あります!
例えば…
(児童館で巡回育児相談中の保育士との場面)
- 保育士:「何か困っていることはある?」
- 私:「ごはんを食べてくれないので困ってるんです。」
- 保:「授乳はどんな感じなの?」
- 私:「1日10回くらいで…」
- 保:「そりゃ10回も飲んでたら食べないわ!まずは授乳やめるか、最低減らさないと!」
もうここで私の心はガッシャ~ンとシャッターが下ります。
授乳をやめることで食べるようになる保証もないのに断乳する考えはないこと、授乳間隔を空けてお腹を空かせたら余計に不機嫌で食べないこと、どんなに空腹でも食物を口に入れると「おぇぇ~!」とえづいてしまうこと…私には言いたいことはまだまだいっぱいあるのに、それを最後まで聞かないで自分の結論だけを主張する専門職。
これは自称「相談」なんでしょうけど、私にとってはただの「押しつけ」でしかありませんでした。
「母乳育児の集い」では、こういう風に自分の話を遮られることは絶対に!ありません。
悩みながら今日まで頑張ってきた、親子の長いエピソードを最初から最後まで聞いてもらえます。
しかも、ものすごく真剣に聞いてもらえます。
何も教えてもらえなくても、これだけで疲れが癒えるくらいです。
その③:それぞれのお母さんの苦労・気持ち・葛藤を全力で受け止めてねぎらってくれる。
話を全部聞いてもらえるだけじゃありません。
その話の中から、お母さん自身がどんなことに心を砕いてきたか・子どものことを思って一生懸命育ててきたかを抽出して、それをねぎらってもらえます。
私の場合は娘の少食&偏食と頻回授乳が悩みだったので、こんな風に言いました。
「教科書的な食べ物は全然食べないので、教科書的内容にはこだわらず、とくかくちょっとでも興味を示したものは何でも食べさせてみたけど、それでも食べてくれないんです。」
それに対してリーダーの方は、こうおっしゃいました。
「雑誌にあるような情報に縛られないで、あなたのお子さんをよく見て、毎日毎日それに1つずつ対応してるところが、本当に素晴らしいと思いました。」
私はもうこれだけで、「あぁ、ここに来て良かった…」と思えました。
だってそう、実際のところ、私は毎日本当によくやってたんです。
でも悩みを口に出せば二言目に出てくるのは、「母乳をやめなさい」。
どこの・誰も、私の取り組みに対して、称賛を送ってくれる人はいなかった。
「お母さんたちが悩みに口にするまでには、並々ならぬ苦労がある」ということをよく理解して、まずはそこを認めてもらえるというのは、アドバイスなんかより何百倍ものパワーをもらえます。
その④:話したいことを全部話し終えてから、情報提供してもらえる。
今書いたように、とにかく自分の中で伝えたいストーリーを全部聞いてもらえて、苦労をねぎらってもらえます。
その上で、お母さん同士で似たような経験がある人からどう対処したか/しているか情報をもらったり、足りない情報はリーダーの方が補ってくれます。
この「お母さん同士で教え合う」というのが上下関係がなくてとてもいい感じです。
「教えてやってる」「教えてもらってる」という微妙な緊張感が皆無なんです。
その⑤:「とにかくこうなのよ!」という押し付け的アドバイスが皆無
リーダーの方が情報提供してくれるのは、必要最小限、本当に足りない部分だけです。
あるいは、お母さん同士で出た対応策の科学的根拠を示すことによって「それで本当に合ってるのよ」いうメッセージを送ってもらえます。
けっして、「私はこれでうまくいったから、あなたもこうしなさい!」というモノではありません。
科学的根拠に基づいた最新の情報・考え方を、「一つの選択肢」という形で提供してくれます。
「今の話を踏まえて、最終的にどんな対応策を取るかはあなたの自由ですよ」というメッセージがひしひしと伝わってきます。
そして、どんな対応策にしたとしても、きっとそれを支持してもらえるという安心感があります。
その⑥:誰も他の誰かを批判しないので居心地がすごくいい。
集いでは、科学的には明らかに間違ったことをしている人がいたとしても、絶対に批判されません。
「どうしてそういう風にやってるんですか?」とか「このやり方が一番いい感じなの?」みたいな言い方で尋ねられることがあっても、「そのやり方は違うよ!こうすればうまくいくよ!」みたいな言い方はされません。
何を言っても「絶対に」バカにされない・批判されないというのは、ものすごい安心感です。
だって、間違っているにせよ、我が子のためを思って一生懸命やってることですから、それを批判されるのはやっぱり傷つきます。
ラ・レーチェ・リーグ・インターナショナルの集いでは、間違ったことを批判されないばかりでなく、むしろそのやり方に至った経緯をねぎらってもらえます。
誰にも批判されない・馬鹿にされないという雰囲気があると、本当に思っていることをそのまま口に出せます。
ある意味では家族と話しているより心地よく、安心できるんじゃないかと思いました。
まとめ
私がラ・レーチェ・リーグ・インターナショナルの母乳育児の集いに参加した感想についてまとめました。
私たち親子を取り巻くストーリーを全部聞いてもらえて、苦労をねぎらってもらえて、その上で「それでいいのよ。あなたはよくやってるよ。」と言ってもらえると、本当に心の底から「今やってるように、試行錯誤しながらやっていくしかないんだな。」と思えました。
「肩の力が抜ける」ってこういうことを言うんだな~とも思いました。
誤解を恐れずに言うなら、有料のヘタな母乳相談に行くくらいなら、こちらの集いに参加した方がよっぽどいいんじゃないか?と思うくらいでした。
妊娠中の方でも、母乳育児に関心のある女性なら誰でも参加できるようなので、特別困っている事がなくてもオススメできます。
ラ・レーチェ・リーグの母乳育児の集いについての情報はこちらから見ることができます。
もし、あなたの居住地の近くで集いの開催がなくても、ラ・レーチェ・リーグ・ウェブ・ジャパンというインターネット上の集いもあります。(ネット上の集いには年会費4,000円が必要です)
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