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痛みやトラブルなく授乳のためには「赤ちゃんの深い吸い付き(吸着)」がとにかく不可欠です。
深い吸着のコツのまとめは「【助産師が教えます】授乳時の痛い!を予防する「深い吸着」10個のコツ」に書いていますが、そこで紹介したコツの1つのである「C字ホールド」について、このページでは詳しく説明しています。
「C字ホールド」は特に出産後の早い時期(赤ちゃんが特に小さい時期)に役立つ授乳テクニックで、赤ちゃんがおっぱいに深く吸いつくことを助けてくれるので、
- 乳首の痛み
- おっぱいが張って痛い
- おっぱいが詰まって痛い
- 乳腺炎でつらい
などの予防が期待できます。
「C字ホールド」とは乳房を支える手の形のこと
「C字ホールド」というのは乳房を支える手の形を指したものです。
赤ちゃんの口に乳房がよりたくさん入るように(=深い吸着になるように)、乳房を優しくつぶしたような感じにして支えることを言います。
「C字ホールド」が必要なワケは、お口の小さな赤ちゃんに深く吸いついてもらうため
生まれたての、お口が小さな赤ちゃんにとって、お母さんのおっぱいは巨大です。
例えるなら私たち大人にとっての佐世保バーガー。
私たち大人も、こんな大きなハンバーガーを食べる時にはギュッとつぶして食べますよね?
もしつぶして食べなければ、ハンバーガーのごく一部しか口に入れることはできないはずです。
生まれたての赤ちゃんにとってのおっぱいも同じです。
おっぱいを優しくつぶすことで、口の奥深くまでおっぱいを含むことができるので「深い吸着」を助けてくれます。
「深い吸着」をすることができれば、
- 乳首は痛くなりにくいし、
- すでに乳首が痛くても治癒が早まるし、
- 母乳分泌が増えやすいし
- 赤ちゃんが飲む母乳量も増えるし
- しこり、乳腺炎、白斑などのトラブルを予防
してくれます。
「C字ホールド」をした時としない時の比較
- 乳房をなんとなく持った状態で吸着させる場合
- 乳房を優しくつぶすように「C字ホールド」して吸着させる場合
とで、どれくらい吸着の深さが変わるか見てみましょう。
乳房をなんとなく持った状態で吸着した場合
おっぱいをつぶしたりせず、そのままの状態で吸い付くとこんな感じ⇩になりました。
大人の私が全力で大きな口で吸い付いたので風船(おっぱい)をつぶさなくてもけっこう広範囲に吸着できているように見えますが、風船をつぶしてみるとどうでしょうか?
「C字ホールド」をして吸着した場合
次は、乳房を優しくつぶすような感じで「C字ホールド」にします。
このようにおっぱいを優しくつぶした状態で吸い付くと…
さっきよりもっと広範囲に口に含めたことが分かりますね!
つまり、「C字ホールド」をして吸着した方が、より多くの範囲の乳房が口に入って、「深い吸着」になっています。
ほんの少しの違いに見えるかもしれませんが、この少しの違いが母乳育児をスムーズにできるか否かに関わってきます。
「C字ホールド」は赤ちゃんの口に対しての手向きが重要!
さっきの佐世保バーガーの話ですが、ハンバーガーをどの向きにつぶして食べますか?
まさか左右から?
当然、上下からつぶしますよね?
聞くまでもなく、上下からつぶして食べますよね。
赤ちゃんも同じです。
赤ちゃんが上唇と下唇でおっぱいを挟み込めるように、唇に平行につぶしてあげてください。
言ってることは分かるけど、いざ赤ちゃんを目の前にするとよく分からなくなると思うので、3つの抱き方で説明しますね。
①横抱き(交差横抱き)の時
横抱きとは、いちばん一般的な授乳姿勢で、赤ちゃんを横向きに寝かせた状態で授乳するスタイルです。
ここでは、ひだりの乳房を赤ちゃんに飲んでもらう場合です。
本来であれば、お母さんの右手は赤ちゃんの首の付け根を支えています。(今回は右手はカメラでふさがっています)
こちら⇩が適切な「C字ホールド」です。
これ⇩だと逆に深い吸着を妨げてしまいます。
②タテ抱きの時
タテ抱きとは、赤ちゃんをお母さんの太ももの上にタテに座らせて、赤ちゃんの背中~首の付け根を支えて授乳するスタイルです。
コツをつかむ必要はありますが、首が座っていなくてもできます。
「C字ホールド」で吸着させてみましょう。
タテ抱きしているのを横から見た画です。
こちら⇩が適切な「C字ホールド」です。
これ⇩だと逆に深い吸着を妨げてしまいます。
③フットボール抱き(ラグビー抱き・脇抱き・抱え抱き)の時
フットボール抱きとは、赤ちゃんをお母さんの脇の下で抱え込むようにした抱き方です。(ラグビー選手がボールを小脇に抱えたような抱き方))
「C字ホールド」で吸着させてみましょう。
フットボール抱きしているのを上から見た画で、ひだりの乳房を赤ちゃんに飲んでもらい右手で「C字ホールド」をしています。
本来であれば、お母さんの左手は赤ちゃんの首の付け根を支えています。(今回はカメラで手がふさがっています)
こちら⇩が適切な「C字ホールド」です。
これ⇩だと逆に深い吸着を妨げてしまいます。
「C字ホールド」の注意点
「C字ホールド」を一生懸命やろうとするときにやりがちな注意点について。
- あまり乳首に近いところを持たないこと。
乳輪の大きさにもよりますが、たいていの人は乳輪の少し外側を持つとちょうどいいと思います。
お母さんの指や手が乳輪より内側に入ると、赤ちゃんの深い吸着を邪魔することがあります。 - あまり強く乳房を押しつぶさないこと。
乳管がつぶれるほど強く圧迫すると、逆にトラブルを招く可能性があります。
目安は「自分(お母さん)が痛くないこと」です。
まとめ
「C字ホールド」は深い吸着を得るためのテクニック・コツのひとつに過ぎません。
「C字ホールド」以外の大事な要素については「【助産師が教えます】授乳時の痛い!を予防する「深い吸着」10個のコツ」にまとめていますので、併せてご覧ください。
- 「赤ちゃんの口の高さ=乳首の高さ」になるようにする。
- 赤ちゃんの頭~おしりが一直線になるようにする。
「横抱き」と「フットボール抱き」では頭~おしりの高さが同じになるようにする。 - 赤ちゃんとお母さんのおなかをくっ付けて、2人の体が密着するようにする。
- 赤ちゃんの下あごをおっぱいに付けて、赤ちゃんの顔がちょっと上向きになるようにする。
- 赤ちゃんが大きな口を開けるのを待って、素早くくわえさせる
- 乳首が赤ちゃんの上あごに向かうように吸着させる。
- 赤ちゃんの唇を内側に巻き込まないように修正する
- 深い吸着になるまで、何度でもやり直す。