補完食(離乳食)を食べない子どもをサポートする10個のコツ

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助産師&母乳育児支援者&一児の母。 「ちょっとの勉強で、妊娠・出産・母乳・育児はもっとラクチンできる」「『母乳だけ』も混合栄養も全部母乳育児」という思いで、科学的な視点+リアル感覚の両方から周産期のことを解説しています。 個別のご相談はこちらから →https://baobabu.online/

私の娘はものすごい少食&偏食の赤ちゃんで、いわゆる離乳食(正確には「補完食」)はほとんど食べませんでした

「断乳すれば食べるようになる!」と指導する医師・保健師・栄養士もたくさんいますが、断乳したからといって食べるようになるという保証はなく、いったんやめた母乳を復活させるのは至難の業です。

ですからこのページでは、あくまで「母乳は続けながら、いかに食べてくれるようになるまでサポートするか」にフォーカスします。

「少食」「偏食」でここまで本当に大変でしたが、5歳前頃からやっと光が見えてきたので、これまでの経緯と、振り返ってみて大事だと思ったコツ10個についてまとめてみます。

娘の少食&偏食エピソード

娘は補完食(いわゆる離乳食)をまったく食べない赤ちゃんだったので、1歳3ヶ月頃までは完全に母乳だけで育っています。

1歳3ヵ月頃からは少しずつ母乳以外の食べ物も口にするようになりましたが、食事摂取量が圧倒的に少なかったので、2歳頃まではエネルギーの大半は超頻回授乳による母乳で賄っていたんじゃないかと思います。

母乳が大好きというのもあるし、未知なるものに対する恐怖心も強かったようです。

具体的にどんな状況だったかというと…

  1. ドロドロの食感、柔らかい食感が大嫌いで、1歳過ぎまで母乳以外の物を口にしない。(ずっとトライはしていました)
  2. 1歳3ヵ月頃からやっと食物を口にするようになってからも、食べられるものが限定されていて、補完食(離乳食)作り王道の「大人の食事を取り分けて薄味にアレンジする」とかはまったく通用しない。
  3. アレコレ工夫して食卓にあげても、数少ないお気に入りのメニュー(ホタテの貝柱、お麩スナック、冷食の焼きおにぎり、自家製の米粉パン)しか食べない。
  4. 市販のベビーフードはもっともキライなモノの1つ
  5. 遊びながら誤魔化しながら食べさせても、「おえぇぇぇぇ~~~!!」とえづいて、本当にただの一口も食べてくれない。
  6. 少食で、お弁当の場合だと、2歳頃でも10×7㎝くらいの小さなタッパーに詰めて、それでも残すような感じ。
  7. 食事摂取量が圧倒的に少ないので、1歳を過ぎても頻回授乳(特に夜間)

身長も体重も順調に育っていて発達も月齢相当なので、そういった意味での心配はしてませんでしたが、娘の食事準備をするのが苦痛で仕方ありませんでした。

4歳のある日、急に自発的に食べるようになった!

食べない子のために「これなら食べられるかな…」とメニューを開拓して、食事準備するのは本当に苦痛でした。

3歳を過ぎたころから徐々に食事量が増え、食べられるメニューも少しは増えてはきていましたが、少食&偏食の状況に変わりはありませんでした。

ところが、4歳5ヵ月のある日、突如として成長を見せます。

娘を幼稚園に迎えに行って、帰りにスーパーにパンを買いに行った時のこと。

精肉コーナーの特売の生姜焼き用ロース肉を娘が見て、「これ食べたいなぁ~!」って言ったんです。

「『コレ食べたい!』って初めていわれた!!」と、私は感動して、その日予定していたメニューを変更しました。

そして、こんなメニューを完食してくれました。

  1. 生姜焼き風の焼き豚(漬け込んだ豚肉を焼いただけ)
  2. ごはん50gくらい
  3. 野菜たっぷりの味噌汁(作り置き)
  4. とうもろこし(レンジでチンしただけ)
  5. 皮ごと食べられるブドウ

「子どもがおいしそうに、嬉しそうに食事を食べて(しかも完食)くれる」という嬉しさ・楽しさを、4年越しで初めて経験しました。

「少食」「偏食」の子どもの食事をサポートする10のコツ

4年以上子どもの少食&偏食に悩み、試行錯誤してきて私が感じるコツのようなもので一番大事だと思ったのは、

「食べるのは楽しいことだよ!」

と実感してもらえるようにすることです。

そのことをふまえて、日々の暮らしの中で具体的に大事かなと思うことを挙げてみます。

コツ①:食べなくても無理強いしない。食べなくても怒らない。

「食べる」という行為は、「生きる」ということに直結しています。食べなければ死んでしまいますから。

その「食べる」行為を強制したり、ましてや食べない・好き嫌いをするからという理由で怒ったりすることは、子どもの生きる意欲を削ぐことになるのではないかと思います。

「どれくらい食べられたか」「何を食べられたか」は結果論であって、目的にしてしまうと親子とも苦しくなります。

子どもの「食べたくない」「もういらない」という気持ちを尊重しつつ、

  • どんな物なら食べられるか
  • どんなシチュエーションでなら食べられるか(自宅ではダメでも公園や児童館なら少したくさん食べることがありました)

試行錯誤してあげることが、子どもにしてあげられる最上のことだろうと考えます。

コツ②:「食べてくれ~」オーラを出さない。子どもにプレッシャーを掛けない。

①の次に私が大事だと思うのが、「食べてほしい!」という無言のプレッシャーをかけないようにすること。

これ、難しいんですよね。

出さないようにしてるつもりでも、出ちゃうんです…

でも子どもは親が何も言わなくても「食べてほしい!」という空気を敏感に感じ取ります。

雰囲気の圧というか。

「今日はジャンキーメニューだから食べなくていいや!」と思っている時に限って、すごく良く食べたりします。

コツ③:手間をかけない。

これは②に関連することですが、手間をかけて頑張って作ると「一生懸命作ったんだから、ちょっとは食べてよね!」というオーラが出るようで、子どもはそれを敏感に感じ取ります。

手間暇かけて作ると子どもは食べない、作った親はガッカリする・イライラする…とあんまりいいことはない気がします。

冷凍食品・スーパーのお惣菜でも罪悪感を感じなくていい!と今では心底思えます。

良く食べるようになってから、同じものを手作りしてあげればいいと思います。

コツ④:子どもと一緒に買い物に行って、子どもが興味を持ったものは経済的に許す限り必ず買う。

「お菓子以外で!」とか一定の条件は必要かと思いますが、子どもが欲しがったもの、興味を示したものがあれば、食べることにつながるチャンスです。

我が家の場合は、よく果物に興味を持ったので頻繁に買っていました。

コツ⑤:親の食事風景を見せて、いろいろなメニュー・食材を知ってもらう。

一度トライして食べなかった料理・食材でも、何十回も何百回も見るうちに、ある日急に食べることがあります

「これはキライなのね」と諦めずに、子どもが食べなくても大人が楽しそうに・おいしそうに食べていれば、折る日突然食べるかもしれません。

コツ⑥:子どもと一緒に「遊ぶように」料理をする。

子どものキャラクターにもよりますが、2歳半くらいになるとニンジンの皮をピーラーで剥く、材料を混ぜる、卵を割るなど、簡単な調理ができるようになります。

そして、子どもが自分で作ったものだと、ビックリするくらい食べることがあります

私が娘と一番よく作ったのは、「野菜(みじん切り):白米=1:1」くらいの野菜たっぷりチャーハン(シーチキンとかしらすも入れてました)です。

1品で栄養満点♪

個人的にみじん切りにはぶんぶんチョッパーが猛烈にオススメです。

  • 子どもが1人でできる
  • めんどくさいみじん切りが一瞬で完了
  • 散らばった野菜片を地味に片付ける手間がない

ので、今でもものすごく愛用しています。

コツ⑦:味見をしてもらう。

食卓にキチンと並んだ食事だと食べなくても、なぜか味見だとよく食べることもしばしばあります。

私も「味見」と称して、結果的に普通の食事量を食べてもらったことが何度もあります。

行儀が悪い?

行儀やマナーはしっかり食べれるようになってからでもいいんじゃないかな、と私は思います。

まずは「食事は楽しい!」を感じてもらえるように、少なくとも食べる行為が苦痛なものにならないようにすることが大事だと思います。

コツ⑧:自宅以外の場所で食べてみる。

いつものメニューをお弁当箱に入れて、公園や児童館、子育て支援センターなどで食べると、まわりのお友達も食べているという雰囲気に誘われるのか、いつもよりたくさんの量を食べてくれることも多かったです。

私の自宅近くの子育て支援センターは電子レンジも完備されているので、冷えた食べ物を嫌がる娘と通い詰めた時期があります。

自宅の庭にレジャーシートを敷いたり簡易テントを建てたりして、ピクニック風な雰囲気を演出するだけでも食が進みました。

コツ⑨:子どもが順調に成長しているのなら「必要になったら自分から食べるはず」と子どもを信じる。

健診で小児科医に太鼓判を押してもらえているのならという前提ではありますが、「子どもが必要になった時にいつかは食べてるようになる」と子どもを信じることもすごく重要かと思います。

実際に私の娘や、他の少食のお友達を見ていても、みんな「その子にとっての」時期が来れば食べるようになっています。

私もそう信じていたつもりですが、どこかで「早く普通に食べるようになってほしい」「この苦しみから(私が)解放されたい」という思いが勝って、余計に苦しかったんだと思います。

コツ⑩:食べる楽しみを感じてもらうために、ジャンキーフードやお菓子も取り入れる(ほどほどに)

子どもが少食だと「一口の食事で、いかに栄養価のあるものを食べさせるか!」みたいなプレッシャーを、私が勝手に感じることがありました。

先ほどから書いてきているように、この私の頑張りが子どもへのプレッシャーになっていることもあったかなと反省しています。

私は途中から(2歳くらいからかな…)気持ちを切り替えて、1~2週間に1回くらいはファストフードを食べたり、駄菓子を食後のお楽しみのデザートとして出したり、「子どもがニコニコしながら食べる」状況を作るようにしました。

まとめ

少食・偏食の娘の食生活に光が見えてきたので、反省も踏まえてコツをまとめてみました。

2歳の娘を育てている私に「食べてくれるようになってから、ちゃんと作ればいい!」と言ってあげたいです。

「順調に成長・発達していること」が前提条件とはなりますが、結論だけを言えば、「食べたいものがあったら、食べたいだけ食べてね~」でほんとにいいんだと思います。

娘は4歳5ヵ月で解決の兆しでしたが、私の10歳年下の妹もひどい少食・偏食で、解消されたのは9歳でした。

ちまたの「離乳食レシピ」みたいな書籍はまったく役に立ちませんでしたが、これは肩の力を抜くのによかったなと思うので、1冊ご紹介しておきます。

<追記>

5歳目前にして食べられるものが更に増えました。

人生で初めての「おかわり!」もしました!

でも、まだせっかく作っても「お口に合わない…」(←ホントにこう表現します)と言うこともしばしばで、食事作りは相変わらず難儀です。

食材宅配のヨシケイを使って気楽に料理することで、「食べてよね~」オーラが出ないように、今も気を付けています。