「メデラの電動搾乳器」と「haakaaのシンプル搾乳器」の比較

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助産師&母乳育児支援者&一児の母。 「ちょっとの勉強で、妊娠・出産・母乳・育児はもっとラクチンできる」「『母乳だけ』も混合栄養も全部母乳育児」という思いで、科学的な視点+リアル感覚の両方から周産期のことを解説しています。
搾乳器には高くて構造が複雑なものと、作りがシンプルで安いものとがあるけど、どっちがいいの?

という疑問にお答えします。

このページでは、

  1. 構造が複雑で値段の高い搾乳器:メデラの搾乳器
  2. 作りがシンプルで安い搾乳器:haakaaの搾乳器

の2つを比較してみます。

 

この記事で分かること
  1. 上記2つの搾乳器(メデラ・haakaa)の特徴、メリット・デメリット
  2. どういう人・どういう場合にどちらの搾乳器が適しているか

「メデラの電動搾乳器」と「haakaaのシンプル搾乳器」の比較

まず「メデラの電動搾乳器」「haakaaのシンプル搾乳器」それぞれの特徴をみていきたいと思います。

メデラの電動搾乳器の特徴(メリット・デメリット)

メデラの電動搾乳器の特徴①(メリット):搾乳モードが2段階あるから赤ちゃんが飲むリズムを再現できる

⇧スタートボタンを押して…

⇧最初の「呼び出し吸てつ」を終えて母乳がたくさん出てきたら「ゆっくりモード」に切り替える

メデラの搾乳器の特徴の1つが、赤ちゃんの自然な吸てつリズムを再現してくれる「2フェーズ搾乳技術」が搭載された搾乳器だということです。

赤ちゃんがおっぱいを吸う時、最初からはゴクゴク飲みません。

赤ちゃんがおっぱいから母乳を飲む時のリズム
  1. 最初は「呼び出し吸啜」と言って、小刻みに乳頭・乳輪を吸います。
  2. 母乳がピューピュー出てくるようになってから、「ゴックンゴックン」というゆっくりとした飲み方に変わります。

この2段階の飲み方の特徴を現す技術を「2フェーズ搾乳技術」と言います。

この2フェーズ搾乳技術によって、

  1. 赤ちゃんの飲み方を再現し
  2. 乳腺への負担が少なく
  3. 痛みなく搾乳できるので
  4. 短時間でより効率的に
  5. より多くの母乳を搾乳できる

と思います。

メデラの電動搾乳器の特徴②(メリット):搾乳器の圧が細かく調整できるから痛くない

⇧+を押すと吸引圧が強くなり、-を押すと弱くなります。

今回ご紹介しているメデラの電動搾乳器「スイング」は吸引圧が11段階で調節可能です。

短時間でよりたくさんの母乳を搾乳するためには、快適と感じる範囲で一番高い吸引圧を選択することが必要なので、細かく吸引圧を調整できるのは大きなメリットです。

一方で、搾乳器の圧が一定にしかかからないと、人によっては「痛い!」と感じることがあります。

また、同じ人でもおっぱいの張り具合などによってちょうどいい吸引圧は変化します。

授乳でも搾乳でも、母乳をよりたくさん出すためには「痛みは絶対に禁物」です。

授乳・搾乳時に「痛い」が禁物な理由
  1. 痛みを感じる
  2. →オキシトシンの分泌量が減る
  3. →母乳を乳房の外に押し出す力が弱くなる
  4. →母乳分泌量が減る。

だから、「おっぱいには痛いことはしない」というのが大鉄則です。

その時の乳房の状態に応じて吸引圧を11段階から選べるというのは、効率よく搾乳するためには大きなメリットと言えます。

メデラの電動搾乳器の特徴③(デメリット):パーツが多くて洗浄に手間がかかる

⇧高性能な分、パーツが多い。

⇧洗浄が必要なパーツ

画像でご覧いただいているように、高性能の搾乳器ならではのデメリットとしてパーツが多いです。

しかも細かく入り組んだような作りの部分もあるので、洗浄には手間がかかる印象があります。

メデラの電動搾乳器の特徴④(デメリット):かさばるので、持ち運びには不便

⇧左がメデラの搾乳器を1つにまとめたもの

搾乳に必要なすべてのパーツを袋に入れると上記画像のようになります。

後述する「haakaa」の搾乳器と比べると、ずいぶん大きくてかさばりますよね。

また重さもあるので、持ち運ぶには不便かもしれません。

メデラの電動搾乳器の特徴⑤(デメリット):消耗品は追加購入が必要

⇧白の弁が消耗品

⇧弁が開いたり閉じたりすることで吸引圧が掛かる仕組み

⇧こんな風に変形してくると吸引圧が掛からなくなるため交換が必要。

画像の白い弁が消耗品なのですが、3枚目の画像のように少しでも変形すると、まったく吸引圧がかからなくなります

この消耗品はネットショッピングで簡単に入手できますが、ある日突然吸引圧がかからなくなるので、常に予備を準備しておく必要があります。

haakaaのシンプル搾乳器の特徴(メリット・デメリット)

haakaaのシンプル搾乳器の特徴①(メリット):構造がシンプルなので洗浄がラク&消耗品がない

⇧圧倒的にシンプルな構造!

やわらかいシリコン素材でできています。

haakaaの搾乳器のメリットとしてまず最初に感じたのは、「作りがシンプル」ということです。

洗浄をする時に分解する必要がないし、消耗品もないので、これ1つだけで済みます。

haakaaのシンプル搾乳器の特徴②(メリット):軽い&コンパクトで持ち運びやすい

⇧左がメデラの電動搾乳器、右がhaakaaの搾乳器

画像の通り、先述のメデラの電動搾乳器に比べると半分以下の小ささです。

それから、重さも圧倒的に軽いです。

持ち運びをする場合には、大きなメリットになりそうです。

軽いので、搾乳する時にボトルを持つ手もラクでした。

haakaaのシンプル搾乳器の特徴③(メリット):ボトルの底が吸盤なので、転倒防止効果◎

⇧ボトルの底が吸盤になっているので、力を加えても倒れない。

個人的に地味にいいなと思ったのが、ボトル底が吸盤になっているので、せっかく搾乳した貴重な母乳をこぼすリスクを抑えられるところ。

⇧メデラのものにも転倒防止パーツは付いているけど…

先述のメデラにも転倒防止ようのパーツがあるんですが、私の使用感としては「転倒防止パーツが付いていると搾乳の邪魔!」だったので、ほとんど使ったことはありませんでした。

搾乳器の形状上どうしても倒れやすいので、haakaaのように底が吸盤になっているのはとてもいいと感じました。

haakaaのシンプル搾乳器の特徴④(デメリット):搾乳器の口径の真ん中に乳首がなかなかこなくて痛い

⇧乳首を口径の真ん中に入れたつもりでも…

⇧こんな風に乳首があらぬ方向に向いてしまうことも。痛かった!

画像のように、最初の準備段階で、搾乳器の口径の真ん中に乳頭がくるようにスタンバイしても、搾乳しようと吸引圧をかけると乳頭がヘンな方向に持っていかれてしまうことが多々ありました。

乳房が柔らかい人だと特にそうなりやすいかもしれません。

コツをつかめば乳首を真っすぐに保ったまま搾乳できるのかもしれませんが、いくらか練習&テクニックが必要そうだと感じました。

haakaaのシンプル搾乳器の特徴⑤(デメリット):手加減に慣れるまでは吸引圧の調整が難しく、搾乳が痛いことがある

【ちょうどいい吸引圧で痛くない時】

⇧スタートポジション

⇧圧をかけたところ。これ位だと痛くない。

【吸引圧が強すぎて痛い時】

⇧スタートポジション

⇧これだと吸引圧が強すぎて痛かった。

画像でお見せしたように、haakaaの搾乳器はシンプルゆえ、搾乳器を握る手加減一つで吸引圧が大きく変わります

少し強くボトルを握って圧をかけると痛みを感じることもあり、ちょうどいい握り具合を把握するためにはしばらく練習が必要だと感じました。

「メデラの電動搾乳器」と「haakaaのシンプル搾乳器」どういう人・場合にどちらの搾乳器が適しているか

2つの搾乳器を簡単に比較すると、

  1. 本格的な搾乳ができるのは、より繊細な設定ができるメデラの電動搾乳器
  2. 搾乳の必要性がそこまで高い訳ではないけど、手軽に絞れる分だけ絞りたい時に重宝するのがhaakaaのシンプル搾乳器

なのかな…という印象でした。

これらのことから、どういった人・場合に、どちらの搾乳器が適しているのか考えてみたいと思います。

メデラの電動搾乳器が適している人・場合

母子分離状態で一定期間以上しっかり搾乳する必要がある人

メデラ社製に限らず、電動搾乳器が適しているのは「母乳栄養を希望していて、1ヶ月以上搾乳が必要な場合」だと思います。

特に赤ちゃんが入院していて母子分離状態だと、面会する時間、往復の時間などで時間・体力とも使います。

そういった時は、より効率的に搾乳できる電動搾乳器が適していると思います。

なお、以下のようにすると、なおさら搾乳量が増えるのでおすすめです。

  1. 搾乳器での搾乳後、手でも少し搾乳する。
  2. 予算が許すのであれば、左右同時に搾乳する「ダブルポンプ搾乳」をする。

本格的に母乳量を増やしたい場合

赤ちゃんとお母さんが一緒に過ごしていて直接授乳ができる場合でも、電動搾乳器が適している場合もあります。

例えば、

  • 是非とも母乳だけ、あるいは母乳メインの混合栄養にしたいと希望している
  • だけど赤ちゃんが必要とする母乳量がまだ出ていない
  • 多少手間や負担があっても、どうにかして母乳量を増やしたい

ような場合です。

母乳は出したら出した分だけ新しく作られるシステムです。

だから、以下の2つのようなやり方で、授乳に加えて搾乳もすることで母乳分泌量の増量を期待できます。

  1. 授乳の後、あるいは授乳と授乳の合間に搾乳する。
    直接授乳で飲める授乳量が十分でなかったとしても、直接授乳+搾乳もすることで母乳を乳房外に出す量を増やせば、母乳分泌量を増やすことができます。
    直接授乳に加えて搾乳までやるのは、時間的にも体力・精神力的にも大変に感じる人も多いですが、電動ならより短時間で搾乳できるので負担が少なくなると思います。
  2. 直接授乳と同時に搾乳もする。
    先述したように、直接授乳と搾乳の両方をするのは、時間的にも体力・精神力的にも大変に感じる人が多いです。
    でも、授乳と同時に搾乳することができれば時短になるし、左右の乳房を同時に刺激することでより多くの母乳分泌が得られる可能性が高まります。
    ただし、授乳と搾乳を同時にする場合は、搾乳する側に気を取られて、赤ちゃんの吸い付きが浅くならないようにすることが大切です。
    直接授乳の邪魔にならないように搾乳するためには、フットボール抱きか、タテ抱きが適していると思います。

⇧フットボール抱き+搾乳器

⇧タテ抱き+搾乳器

haakaaのシンプル搾乳器が適している人・場合

授乳時に反対側からこぼれ出てくる母乳を受け止めつつ、少し搾乳もしたい人

直接授乳をしているのと反対側の乳房から母乳が漏れ出てくることはよくありますよね。

haakaaの搾乳器は、シンプルで軽くコンパクトなので、こぼれ出てくる母乳を受け止めるのに適していると思います。

漏れ出てきた母乳を受け止めつつ、時折ボトルを握って吸引圧をかけるとさらに搾乳量が増えるので、母乳を無駄なく余すことなく赤ちゃんに与えることができます。

できる範囲で手軽に搾乳したい場合

繰り返しているように、直接授乳と搾乳の両方を行うのは母乳分泌量アップのためには理に適っていますが、一方でそれを負担に感じる人も多いのです。

「そこまで母乳メインにこだわらないけど、できる範囲のことはやろうかな…」というようなお気持ちなら、安価でシンプルなhaakaaの搾乳器が適しているかもしれません。

まとめ

  1. 「メデラの電動搾乳器」と「haakaaのシンプル搾乳器」の比較
  2. それぞれの搾乳器が適している人・場合

についてまとめてきました。

搾乳器は様々なメーカーから色んな種類の搾乳器が販売されていますが、

  1. 自分の乳房・体格にはどの搾乳器が合うか
  2. そもそも搾乳器が適しているか

については、実際にその搾乳器を使ってみるまで分かりません。

病院や母乳外来では搾乳器を常備している場合も多いので、入院中や受診時に試させてもらえるといいですね。