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このページでは、様々な事情で
- まだ授乳回数が多くて
- 子どもも授乳を必要としていて
- 乳汁分泌も多い時期に
断乳することになった人に向けて、お母さん・子ども・家族になるべく負担なく断乳する方法についてまとめています。
卒乳については別のページで詳しくまとめていますので、「いつ卒乳すればいいの?」「そろそろ卒乳(断乳)の時期だけど、どうやって?」という方は「卒乳のタイミング」の記事も併せてご覧ください。
負担が少ない断乳方法「5つのプロセス」
ある日突然、思いつきのように断乳するのは、よほどどうにもならない理由がない限りはおすすめしません。
なぜなら「ある日突然の断乳」はお母さんにとっても子どもにとっても(時には家族にとっても)、とてもツラいものになる可能性が大きいからです。
- お母さんの乳房がパンパンに張って、とても痛くなる。
- 場合によっては乳腺炎になる。
- 子どもは心身ともに「大切なよりどころ」だったおっぱいを急に取り上げられて混乱する。
- 予告なく「大切な宝物=おっぱい」を取り上げられたことにより、場合によってはお母さんとの信頼関係が揺らぐ。
といったことが起こり得ます。
一方で、例えば「急にガン治療(抗がん剤・放射線)が必要になった」など特別な場合は「ある日突然の断乳」が必要になる場合もあります。
でも、そういった例外的な事情を除いては、できるだけ①計画的に②段階的に断乳を進めるのが、母子&家族にとって負担が少なくておすすめです。
(「ある日突然の断乳」が必要になった方は、できるだけ母乳相談外来を受診してください。入院中の場合は、院内の助産師に相談できないか交渉してみてください。)
プロセス①:断乳する日を決める。
断乳したい時期が分かってるなら、まず最初に「断乳する日=授乳をゼロにする日」を決めます。
結論から言うと、断乳に適しているのはこんな時です。
- お父さんが連休などで連日家にいて、子どもの相手&お風呂担当をしてくれる時
- 実家など、お母さんにとってリラックスできる&十分な手助けが得られる環境にしばらく(できれば1週間くらい)滞在できる時
- 「お父さん(=夫・パートナー)が家にいた方がストレスたまるわ!」という場合は、長期出張などで家にいない時
- 家事代行サービス・ベビーシッターを頼むことができる時
この後まとめていきますが、断乳するということは、このようなことが起こる可能性があります。
- 「おっぱいに代わる何か=多くの場合はたっぷりの遊び」が必要になります。
- おっぱいを求めて激しく泣くかもしれません。
- 1日中グズグズして、お母さんは疲れたり、イライラしたりするかもしれません。
- 子どもの相手しかできなくて、家事は一切できないかもしれません。
- お母さんと子どもが一緒にお風呂に入ると、おっぱいが目の前にきて激しく授乳を求め、一緒にお風呂に入れないかもしれません。
- いつも授乳している場所(ソファーなど)に座るだけで授乳を求めらるかもしれません。
つまり、お母さんと子どもの2人だけで断乳を決行するのは、けっこう大変なことだということです。
家事を全面的にサポートしてくれる人・子どもの遊び相手をしてくれる人が十分確保できる時期に断乳するのがおすすめですよ。
プロセス②:授乳回数を2~4回まで減らす。
「断乳する日」を決めたら、そこに向けて授乳回数を2~4回目安で減らしていきます。
頻回に(例えば1日に8回)授乳している時に断乳すると、お母さんの体も、子どもの心も、非常に混乱して大変だからです。
- 授乳回数を何回まで減らすのか(2回なのか4回でいいのか)
- どれくらいの期間をかけて授乳回数を減らすのか
といった具体的方法について、残念ながら答えはありません。
母乳分泌状況や、生活スタイル、子どもの性格などによって適切な進め方はそれぞれ違うからです。
「一応の目安」は以下にまとめますが、あくまで目安なので、ご自身とお子さんの様子に合わせて進めるようにしてくださいね。
- 通常:1日7~8回授乳(昼も夜も子どもの欲求に合わせて授乳)
- 朝の寝起き・昼寝時・夜の就寝時・夜間1~2回の計4~5回に減らす。
母乳分泌が減るまで、この期間を2週間~1ヶ月程度。
(日中は授乳の存在を思い出させないくらいのつもりで、徹底的に遊び相手をする) - 母乳分泌がそれほど多くない人なら、この段階で断乳(授乳ゼロ)に進んでも大丈夫な場合もあり。
- 昼寝時の授乳をやめて、3~4回の授乳に減らす。
この期間を1~2週間程度。
(お昼寝のタイミングは車やベビーカーで移動するタイミングになるように調整)
②と④は一緒に実行するのもアリ。 - ここまでくると、断乳(授乳ゼロ)にしても大丈夫な人が増える。
- 母乳分泌がまだ多い場合は、朝の寝起き・夜の就寝時・夜間1~2回の内、削れそうな箇所を1~2ヵ所減らす(=1日2~3回の授乳になる)。
- 断乳(授乳ゼロ)を決行
無理なく断乳できる程度に母乳分泌・授乳回数を減らすのにかかる期間=数週間~2ヶ月程度(かなり個人差あり)
授乳回数を減らしている間の5つの注意点
段階的とはいえ、断乳に向けて進行中の時は、母子ともに様々なストレスがかかる可能性があります。
様々なサポートを得たり、生活の工夫をしましょう。
注意①:お母さんは十分な休息・栄養をとって、体調管理&乳腺炎予防
段階的に断乳を進めている間は、作られた乳汁を十分に子どもに飲み取ってもらえないということです。
これは乳腺炎がよく起こる条件で、注意が必要です。
また、風邪など体調が悪い時に手間のかかる断乳をするのも難しいと思います。
体調は万全にしておきましょう。
乳腺炎の原因に食事内容が挙げられることがよくありますが、食事内容と乳腺炎の因果関係は科学的には根拠がありません。
食べ物に気を付けるというより、風邪予防をするようなつもりで体調管理をするといいと思います。
- 十分休息すること
- バランスよく栄養を摂ること
- 予定を詰め過ぎて忙しくしないよう調整すること
- イヤな人・自分と合わない人に合わないこと
- 人混みに出掛けない
- マスクをする(鼻も口もしっかり隠す)
- 手洗いの徹底
基本的なことですが、こんなことが大事です。
注意②:子どもも徹底的に体調管理
体調を整える必要があるのは子どもも同じです。
よくあるのが、断乳に向けて授乳回数を減らしている過程で子どもが風邪をひいてしまい、食事(補完食)が食べられなくなって+夜間何回も起きて、授乳回数がむしろ増えちゃった!というパターン。
授乳回数・母乳分泌が多い時期に断乳するなら、お母さんもですが、子どもの体調が良くないと進めにくいです。
授乳回数が増えた(もとの回数に戻った)場合は、また最初からやり直しになりますから、体調を崩さないように気を付けましょう。
具体的な対策は…
- とにかく人混みは避ける。
ショッピングモール・電車・初詣(お正月休みに断乳する人も多い)など - 体調の悪そうなお友達(咳・鼻水の出てる子)に近づかない。
イヤな感じにならないようにさり気なく… - 子どももしっかり手洗い。
帰宅時・食事前・おやつ前など。手洗いが難しいならアルコール消毒ジェルを携帯しておく。 - できるだけ、いつもと同じ生活リズム。
- 睡眠時間は十分確保。
注意③:徹底的に遊び相手をして、子どもに授乳のことを忘れてもらう。
「手持ち無沙汰だから、なんかおっぱい飲みたい」という子どもはとっても!多いと感じます。
「おっぱいのことを思い出させないように、徹底的に遊び相手をする」というのは、授乳回数・母乳分泌が多い時期に断乳する時のキモです。
具体的にどんな風にすればいいか思いつくことを書き出してみますね。
- 児童館・子育て支援センターに入り浸る。
- 公園に通い詰める。
- 家事は超手抜きorしないor人任せ。
家族にしてもらうのが無理・でも家が荒れ放題もムリなら、短期間カジタク やCaSy などの家事代行サービスを使う。 - 食事作りは徹底的に手抜き。
冷凍食品、お惣菜を上手に利用。
手作りしたいなら食材宅配のヨシケイ の初回お試し利用(2人前5日間:3000円)が安い&超時短でおすすめ。 - 1人で(あるいはお父さんと2人で)子どもの遊び相手をするのに疲れたら、ベビーシッターを使う。
キッズラインが安くて(1000円/時間~)、スマホ1つで完結できて使いやすい。 - とにかく「1日中遊ぶことだけ」を考えればいいように、生活を工夫する。
注意④:いつも授乳している場所・シチュエーションに近づかない。
いつも授乳をする「お決まりの場所」がある親子が多いと思います。
いつものソファに「よいしょ!」と座っただけで、子どもは「ハッ!おっぱいか!?」となります。
お決まりの授乳場所には、子どもが起きている間は極力近づかないように気を付けます。
そのためにも、断乳に向けて進行中の時は、自宅内より公園・児童館など外の世界に出ていた方が無難です。
注意⑤:お風呂はお母さん以外の人と。
入浴中にも授乳したがるお子さんの場合は、お風呂担当を家族に代わってもらった方がいいですね。
あるいは、入浴中の授乳をする代わりに、他のどこかの授乳を1回削るか。
めんどくさいですが、「お母さんは着衣のまま、子どもだけを洗ってあげる」という選択肢もあります。
プロセス③:断乳(授乳ゼロ)にする少し前に、子どもにきちんと説明する。
着々と授乳回数を減らしている段階では、説明するより「たくさん遊んであげること」が大事だと思います。
でも、「授乳をゼロにする日=断乳決行日」の1週間くらい前になったら、カレンダーに印を付けるなどして「この日でおっぱいはおしまいね。」とお話ししてあげてください。
どんなに月齢が小さくても。(例え生後2~3ヵ月でも)
子どもがどこまで理解できるかは分かりませんが、「何か説明してもらった感」を感じてもらうことが大事だと私は思います。
断乳する日まで、1日1回くらいは「この日でおっぱいはバイバイなのよ」と伝えてあげてくださいね。
プロセス④:「これが最後のおっぱいね」と伝えて最後の授乳をする。
いよいよ断乳決行の日。
最後の授乳をどのタイミングにするかは人それぞれですが、「朝一番」を最後にしてうまくいく人が多いようです。
朝起きてすぐの授乳の時に「これが最後のおっぱいだよ」と話しかけて、ゆっくり授乳します。
授乳が終わった後は「これでもか!」というくらい遊んであげて、できれば昼寝は短めにして、夜ぐっすり眠れるように仕向けます。
プロセス⑤:断乳後は後戻りしない。
日中は授乳ナシで乗り切れても、鬼門は夜の寝かしつけと、夜間授乳ですね。
ここはもう精神論ですが、「子どもが欲しがってもひたすら抱っこで乗り切る」これしかありません。
お母さんの抱っこだと「おっぱいはココにあるのになんでぇ~!」とヒートアップするので、お父さんの(おばあちゃん・おじいちゃんでも)抱っこの方がいい場合もあります。
ここで子どもの欲求に応えて授乳すると、断乳する日は1日また1日と伸びていきます。
ここまで来たら、もう後戻りはしない覚悟で断乳をやり遂げます。
断乳は本気で決意してから決行してください。
プロセス⑤まできて、夜の激しい「おっぱいコール」に耐え切れず、結局授乳継続する人(断乳しない人)も中にはいます。
結果的に長く授乳できるのは良いことだと思いますが、結局断乳しないなら、はじめからしない方がいいです。
なぜなら、ここまで繰り返し書いてきたように、断乳の過程はお母さんのみならず、子どもや家族にも大きな負担・ストレスがかかる可能性が高いからです。
「もうおっぱいは終わりだよ」と告げておいて、泣き叫んだら結局授乳してもらえる。
⇩
またしばらくすると「もうおっぱいおしまいね」
⇩
泣き叫び続けたらまた授乳再開
このスパイラルが、子どもや他の家族にとっていい影響がありそうにないのは、ご理解いただけると思います。
子どもが「またおっぱいがもらえなくなっちゃうんじゃないか!?」と疑心暗鬼になって不安になってもおかしくないだろうと私は思います。
厳しいことを言うようですが、
- まだ授乳回数が多くて
- 子どもも授乳を必要としていて
- 乳汁分泌も多い時期に
断乳するなら、最後までやりきる覚悟をしてから始めた方がいいと思います。
まとめ
- まだ授乳回数が多くて
- 子どもも授乳を必要としていて
- 乳汁分泌も多い時期に
なるべく負担なく断乳する方法についてまとめました。
私がおすすめしている断乳方法は、計画的・段階的に行うものですが、文中にも「人それぞれなので答えはない」と書いた通り、このページの方法が必ずしも適切ではない親子・家族もいると思います。
ある日急に「バツン!」と授乳をやめても特にトラブルなく、うまくいく親子も中にはいます。
でも多くの親子にとってはそれは負担が大きい方法なので、私は「突然の断乳」はおすすめはしていません。
色々な人の意見を聞きつつ、ご自身に一番合いそうな方法を選択肢、わだかまりなく母乳育児を終えられるようにしてくださいね。
断乳を検討している方は、卒乳(断乳)のタイミングについての記事も併せてご覧ください。