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という疑問にお答えします。
- 母乳分泌を増やす方法
- 母乳が出る・出ないの原因のほとんどは体質や遺伝ではないこと
- 「母乳量が増える」系ハーブティーは効果あるのか?
母乳が出ない!増やす方法は「頻回授乳&深い吸着&栄養&リラックス」
母乳分泌量を増やすために不可欠なのは以下の4つです。
- 授乳・搾乳回数を増やす
- 乳輪がほぼ隠れるくらい深く吸い付かせる
- 十分なエネルギー・栄養を摂る
- 頭と肩の力を抜いてリラックスできるよう生活を調整する
1つずつ説明していきますね。
母乳量を増やす方法①:授乳・搾乳回数を増やす
母乳は、出したら出した分だけ新しく母乳を作る仕組みになっています。
つまり「1回母乳量×回数=そのお母さんの母乳生産量」となるわけです。
ですから現状で母乳分泌量が少ないのなら、まずは授乳回数を増やして、体に「母乳を作る量を増やしてくださいよ~!」と教える必要があります。
こんなこと⇩を言われることがありますが、母乳分泌のメカニズムの視点から考えると間違っているのでスルーして大丈夫です。
- おっぱいが張ってから授乳した方がいい。
→授乳機会が減ると母乳生産量は更に減ってしまいます。 - 〇時間以上空けて授乳した方がいい。
→時間にとらわれず、少くない量の母乳でも頻回に飲んでもらうことで生産量が増えます。 - 水分をたくさん摂った方がいい。
→喉の渇きに合わせた水分摂取で大丈夫です。
授乳回数・授乳時間に関しては別の記事で詳しく解説していますが、「母乳だけ」「母乳メインの混合栄養」の場合は、1日15~20回くらいの授乳も珍しくありません。
様々な事情で授乳回数を増やすのが難しい場合は、授乳の合間・前後に搾乳をプラスするのも効果的です。
搾乳方法については別の記事で詳しく解説しています。
授乳回数・搾乳回数を増やしても、効果はすぐには実感できません。
1~2週間かけてじわじわと効果がでるはずですが、後述する「深い吸着」も欠かすことのできない大事なポイントになります。
母乳量を増やす方法②:乳輪がほぼ隠れるくらい深く吸い付かせる
授乳・搾乳回数を増やすのと同じくらい重要なのが、「おっぱいに深く吸い付かせること」です。
なぜなら、浅い吸着では母乳はあまり出ず、深く吸着して初めて母乳はたくさん出てくるものだから。
さらに、浅い吸着だと多くの人が授乳時に痛みを感じたり、乳頭・乳輪に傷ができたりします。
痛みは、母乳を押し出す役目をするホルモン「オキシトシン」の分泌を減らすので、母乳分泌量がさらに減ってしまう可能性があります。
授乳は痛みなく、乳輪がほぼ隠れるくらいまで深く吸い付かせるようにしましょう。
深い吸着のポイントについては、「母乳が出ない!乳首が痛い!を解決する、10個の授乳のコツ」で詳しく解説しています。
母乳量を増やす方法③:十分なエネルギー・栄養を摂る
授乳期はいつもより多くの栄養が必要です。
具体的に言うと、エネルギーは2000~2350kcal必要です。(年齢・活動レベルにより異なる)
産後ダイエットを意識し過ぎて低栄養だと母乳は出るようになりにくいです。
よくわかる母乳育児改訂第2版 [ 水野克己 ]でもこう書かれています。
栄養が十分な女性が1週間ほど1日1500kcalに摂取エネルギーを減らしても母乳の量は変わらないといわれています。
しかし、1日の摂取エネルギー量を1週間以上1500kcal以下にすると、母乳の分泌量が減ってしまうという報告があります。
産後ダイエットを意識するとしても、自分の必要エネルギーのせめて1割カットくらいまでにとどめた方が良いと思います。
母乳量を増やす方法④:頭と肩の力を抜いてリラックスできるよう生活を調整する
見過ごされがちですが、母乳育児を軌道に乗せる上でとても重要なのがストレスや疲労が少ない状態にして、できるだけリラックスすることです。
お母さんの頭と心の力が抜けてリラックスしている方が、先述したオキシトシンというホルモン(母乳を勢いよく体外に押し出す役割)がたくさん出ます。
ストレスを減らす方法は人それぞれですが、思いつくものをいくつか挙げてみます。
- 苦手な人・嫌いな人と一緒にいない(里帰りから帰宅したら母乳が出るようになった!という人もいます)
- 家事は産後直後のお母さんの仕事にしない。
→夫・家族に頼むことができないなら、家事代行サービスへの外注も視野に。 - 最低限の家事もとにかく手を抜く!
→ネットスーパー・食材宅配サービス・便利家電などを余すことなく活用 - 「赤ちゃんが寝た!」と思ったら、家事ではなく、とにかく寝る。横になる。
- 好きなものを食べたり飲んだりする(アルコール以外)
→カフェインを含むものは飲むタイミング・量に注意が必要ですが、その他は特に制限はありません。
「甘いもの・脂っこいものは母乳がつまる」など、食べるものが乳房トラブルにつながる根拠はないことが分かっています。 - 不安に思っていること、不満なことを誰かに話して「共感」してもらう。(あまり話を聞かないでアドバイスばかりする人はおすすめしません)
母乳が出る・出ないの原因のほとんどは、体質ではなく授乳状況
と思う人もいるかもしれませんが、
初産婦さんは経産婦さんに比べて母乳が十分出るようになるまで時間が少し長くかかりますが、頻回授乳&深い吸着を続けることで分泌量が増えていきます。
数としては多くないかもしれませんが、例えば以下のような状況だと母乳があまり出るようにならない可能性があります。
- 胎盤・卵膜(赤ちゃんを包んでいた膜)が子宮内に一部残っている
- 大量出血した(シーハン症候群)
- エストロゲンを含む経口避妊薬を服用している
- BMI30以上の肥満
- 糖尿病・甲状腺疾患がある
- 喫煙している
- 低栄養・脱水
等々…
一般的に考えて、可能性として一番多いのは①の胎盤・卵膜遺残ですが、その他は数としてはそれほど多くないものばかりだということがお分かりいただけると思います。
「母乳量が増える」系ハーブティーは効果あるのか?
「母乳 出ない」と検索すると必ず出てくる授乳用ハーブティー。
結論だけ言うと、
一方、調査規模は小さいながら、ハーブ「ミルクシスル」「フェヌグリーク」には母乳分泌を促進する結果が出たとの報告もあるようです。
授乳期のハーブティーについては、「ハーブティーって本当に母乳にいいの?」で詳しく解説しています。
まとめ
母乳が出ない時の対処法と考え方をまとめると、こうなります。
- 授乳・搾乳回数を増やす
- 乳輪がほぼ隠れるくらい深く吸い付かせる
- 十分なエネルギー・栄養を摂る
- 頭と肩の力を抜いてリラックスできるよう生活を調整する
- 母乳が出る・出ないの原因のほとんどは、体質ではなく授乳状況
- 「母乳量が増える」系ハーブティーの効果は懐疑的
どうしたら母乳が出るようになるの?