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という疑問にお答えします。
妊娠中に行う場合もあるし、産後直後に行うこともある。
痛みを伴うことが多く、「出産の痛みより辛かった」と表現するお母さんも少なくない。
- 私が痛い乳管開通マッサージをしない方がいいと考える理由
- 妊娠中に痛くない乳輪・乳頭マッサージはした方がいいと考える理由
- 痛くない乳輪・乳頭マッサージの方法
痛い!乳管開通マッサージはしない方がいいと思う3つの理由
乳管開通マッサージのことを「雷に打たれるような痛みだった」「陣痛より痛かった」と表現する人も多いです。
そこまで痛い乳管開通マッサージを、私がやらない方がいいと考えている3つの理由についてまとめていきます。
乳管開通マッサージが不要な理由①:痛みを感じると母乳を押し出す「オキシトシン」が出にくいから
産後に「おっぱいがパンパンだけど、出口がなくて母乳が出ない」という理由で、母乳の出口を作り出すべく、強い痛みを伴う乳管開通マッサージは行われることが多いようです。
ところが、授乳にとっては「痛み」は大敵なのです。
なぜなら、痛みを感じると、母乳を乳房外に押し出す「オキシトシン」というホルモンの分泌量が減るからです。
乳管開通マッサージが不要な理由②:いわゆる乳管開通は授乳・搾乳することで実現可能だ考えるから
ここで2つの疑問。
- そもそも、出産前の乳管は本当に開通していないのでしょうか?
- そして、マッサージをしないと開通しないのでしょうか?
出産前の乳管は本当に開通していないのか?
解剖学の教科書などを見ていると、乳管は体外に向けて開いている(開通している)ように描かれています。
一方で、出産後まもなくは「乳管開通してないんだから早く開通させないと!」と言われることもあり矛盾してるように感じるので、私の考えを述べてみます。
「乳管開通した」と言っても、開通した「穴」が見えるわけではなく、母乳が体外に出るようになった状態を「乳管開通」と呼んでいるんですよね。
だからはっきりとした事は言えないですけど、出産前から乳管はすでに存在しているけど、カスなどの分泌物がフタになって「母乳が出ない=乳管開通していない」ように感じるのではないでしょうか。
マッサージをしないと乳管開通しないのか?
妊娠中~授乳中の人の乳頭の先をじっくり見ると、ひび割れのような細かい溝が無数に入っています。
その細かい溝の間から母乳が出てくるのが観察できます。
ですから、その溝に乳カスのような分泌物が溜まってると、なかなか母乳が出てこなくて乳管開通しないように感じます。
では、その乳カスのような「フタ(栓)」を取り除く一番効率的な方法は何でしょう?
つまり、乳管開通マッサージをしなくても赤ちゃんに授乳したり搾乳したりして乳頭~乳輪に陰圧を掛けてあげれば自然と乳管開通すると思いますし、痛みがオキシトシン分泌に与える影響を考慮すると、むしろ授乳・搾乳の方が有利だと思います。
乳管開通マッサージが不要な理由③:産後数日後のうつ乳(おっぱいパンパン状態)の理由は、少ない授乳回数&浅い吸着が理由だと思うから
赤ちゃんに吸わせているんだから、パンパンになる前に乳管開通してラクになるハズじゃない?
と思う人もいるかもしれませんね。
その答えはこれ↓に尽きるかと思います。
- 頻回に
- 深い吸着で
授乳できていないから、うつ乳(おっぱいがパンパン状態)になるのだと思います。
そう、浅い吸着では乳頭刺激はしているので母乳産生はされるかもしれませんが、
- 乳管にフタをする栓を取り除くだけの有効な陰圧がかからない
- 母乳を効果的に体外に出して、赤ちゃんのお口に入れられない
ために、痛くて寝ていられないくらいおっぱいがパンパンになるのだと私は想像しています。
乳首に傷を付けず痛みなく頻回授乳ができていれば、自然と十分な本数、乳管開通すると思うのです。
「痛みのない授乳」には適切な方法で赤ちゃんに吸い付いてもらい「深い吸着」にする必要があります。
「深い吸着」にするための、ちょっとしたコツのまとめは「母乳が出ない!乳首が痛い!を解決する、10個の授乳のコツ」に書いていますので参考にしてください。
乳管開通マッサージは不要だけど、妊娠中の痛くない乳頭・乳輪のマッサージはした方がいいと思う
ここまで、「強い痛みを伴う乳管開通マッサージよりも、産後すぐから頻回で深い吸着での授乳(搾乳)の方が効果的」ということについてまとめてきました。
じゃあ、妊娠中~産後におっぱいのマッサージは不要なのでしょうか?
科学的には、妊娠中のおっぱいマッサージが母乳育児に有利になるという根拠はありません。という前置きをしておいて。
一方で、赤ちゃんが適切に吸着すると、乳輪~乳頭は赤ちゃんの口のかなり奥深くまで引き込まれるので柔軟性が必要です。
授乳は乳首の先だけをくわえさせるものだというイメージが強いですが、乳輪~乳頭全体を使って「吸い口」を作ります。
授乳時の乳頭は、なんと2倍以上に伸びるんですよ。
だから、この「吸い口」を作り出すためには、先述したように乳輪~乳頭の伸展性が重要なんです。
ですから、妊娠中の段階で「そこまでは伸びないわ…」と感じるのなら、自分の体の観察も兼ねてマッサージした方がいいんじゃないかと私は考えています。
私もそう思います。
・どこを触ったり圧迫すると痛くない/痛いのか
・妊娠中から漿液性液が出てる人なら、どこを圧迫すると母乳が出るのか
を知ることは、産後の授乳時にとても役立つと思います。触っている内に、結果的に乳輪・乳頭の伸展性が上がれば更にいいな~と。 https://t.co/g6O80Q4XmO
— ミカ子 (@midwife_kaasan) 2019年5月21日
乳頭・乳輪マッサージの方法は、搾乳をするような要領でOKだと思いますので、「手での搾乳方法」を参考にしてください。
まとめ
- 強い痛みを伴う乳管開通マッサージが不要だと考える3つの理由
- 乳頭・乳輪の伸展性のため&自分自身の体の観察のために、痛くない乳頭・乳輪マッサージはした方がいいのではないかということ
- 痛くない乳輪・乳頭マッサージの方法
についてまとめてきました。
乳管開通マッサージは「適切な授乳」ができていない・できるように支援していない副産物として生まれたものではないかと私は想像しています。
繰り返しますが、強い痛みを伴う乳管開通マッサージは必須ではありません。
産後すぐから&頻回に&深い吸着で痛みなく授乳or搾乳していれば、自ずと乳汁が出るようになると思います。
「適切な授乳」には様々なコツがありますので、これら↓の記事も参考にしていただければと思います。