【痛くない授乳のコツ】横抱きのコツ10個

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授乳スタイルには色々な種類がありますが、このページでは横抱き(交差横抱き)で授乳する時の具体的なコツについてまとめています。

コツを駆使して適切に授乳できると、こんなメリットがありますよ。

  1. 赤ちゃんが乳房に深く吸いつくことができる。
  2. 乳首が痛くならない。
  3. 母乳がたくさん出るようになる。
  4. 赤ちゃんが母乳をたくさん飲み取れるようになる。
  5. 古い母乳がおっぱいの中に残らないので、しこり・乳腺炎・異常な張り等のトラブルを防ぐことができる。

⇧横抱き(交差横抱き)での授乳




コツ①:乳首と赤ちゃんの口の高さが同じになるようにする

クッション、座布団、授乳クッションなどを使って、「赤ちゃんの口の高さ=乳首の位置」になるように調整します。

⇧クッションを使って乳首と赤ちゃんの口の高さが同じになるように調整

この⇧画像のように、家にある普通のクッションを組み合わせてもOKですが、複数クッションの組み合わせだと授乳していると崩れてきて授乳に集中できない人もいます。

特に最初の数ヶ月は授乳用のクッションがあった方がラクにできる人が多いと思います。

どんな授乳クッションがいいか?

結論から言えば、体型にあっていて、耐久性がそれなりにあれば何でもOKです。

ただ、2000円位の安い授乳クッションだと、中綿が少なかったり、すぐにヘタってきたりして、クッション1つでは十分な高さを確保できないことがよくあります。

  1. クッション1つで十分な高さがあること
  2. あまり安すぎないこと(あるいは、耐久性があると口コミがあるもの)

こんなクッションがいいと思います。

個人的には仕事で色々な授乳クッションを使ってみて、「青葉」の授乳クッションが使いやすいと感じています。

コツ②:赤ちゃんの頭~おしりは一直線&同じ高さになるようにする

赤ちゃんの頭の下だけにクッション等を入れて高さ調整をすると、おしりの位置が低くなります。

頭の高さに比べておしりの位置が低いとどんなことが起こるかというと…

  1. 赤ちゃんの頭が徐々にクッションからずり落ちてくる。
  2. →お母さんの手の力で赤ちゃんを持ち上げた状態になってしまう。(お母さんの筋力任せの高さ調節になってしまう)
  3. →疲れてきて手の力が抜けてくる。
  4. →赤ちゃんが乳首にぶら下がったような状態になる。
  5. →吸着が浅くなる。
  6. 乳首が痛くなる。

と負のスパイラルに陥る人が多いです。

一方で、おしりが低い位置でも特に困ることなく授乳できる人もいます。(特に産後しばらくして赤ちゃんが大きくなり、お母さんも授乳に慣れてくると)

でも、生まれたばかりの頃は赤ちゃんの口元だけに集中できた方がいいので、最初は「頭~おしりが同じ高さ&一直線」を意識するといいと思います。

コツ③:赤ちゃんとお母さんのおなかをくっ付けて、2人の体が密着するようにする

赤ちゃんとお母さんの体が少しでも離れていると、乳首の先っぽにしか吸い付くことができず、様々なトラブルの元になります。

赤ちゃんの体をお母さんの体に巻き付けるようなつもりで抱っこしてください。

助産師はよく「インドの民族衣装のサリーを着るように」とか「着物を着付けるように」「おへそとおへそがくっ付くように」と表現します。

⇧着物を着付けるように、赤ちゃんを抱く(巻き付ける)とうまくいきます。

コツ④:赤ちゃんの片手はお母さんの脇の下に入れる

横抱きの場合は下側になった赤ちゃんの手の置き場所に迷う人がいるかもしれません。

赤ちゃんの手はお母さんの脇の下~脇腹に差し込むようにしましょう。

もし赤ちゃんとお母さんの体の間に手が入り込むと、コツ③「2人の体が密着するように」ができなくなりますので注意してくださいね。

コツ⑤:片手を使って乳房を優しくつぶす

生まれたての赤ちゃんにとってお母さんのおっぱいは、大人にとっての巨大なハンバーガーと同じです。

そのままかぶりついても口の中にたくさん入ってこなくて、深い吸着にはならず「乳首が痛い!」の原因になります。

赤ちゃんの口の形に合わせて乳房を優しくつぶすようにすると(C字ホールド)、乳輪まで深く吸い付かせることができますよ。

横抱き(交差横抱き)の場合はこんな感じ⇩で「手首が下になるように」乳房をつぶすといいです。

こんな風に⇩手首が横にくると、深い吸着を妨げてしまいます。

乳房のつぶし方(C字ホールド)について詳しく知りたい方はこちら⇩の記事もどうぞ。

乳房・乳頭トラブルを予防・改善する乳房の支え方「C字ホールド」

2019年2月7日




コツ⑥:赤ちゃんの下あごをおっぱいに付けて、赤ちゃんの顔がちょっと上向きになるようにする

赤ちゃんに深く吸いついてもらって、それを維持するためには、赤ちゃんの頭の角度も大事です。

この3点を意識してください。

  1. 赤ちゃんの首を少しうしろに反らせたような感じに
  2. 赤ちゃんの顔が少し上向きになる
  3. 赤ちゃんの下あごがおっぱいにくっ付く

私たち大人も飲み物を飲む時は少し上を仰ぎ見るようにしますよね?

赤ちゃんもうつむいたままでは飲みにくいですし、お母さんの体との密着度が下がってしまいます。

⇧大人も飲み物を飲む時は首を少し反らせます。

コツ⑦:赤ちゃんが大きな口を開けるのを待って、素早くくわえさせる

「あ~!赤ちゃんがおっぱい欲しがってる!早くあげなくちゃ!」

と、小さくしか開いていないお口に乳首をねじ込むように吸い付かせると痛いですし、母乳もあまり出ません。

赤ちゃんがあくびをしたように大きな口を開けるまで待ってから吸い付かせましょう。

【大きく開けた口にタイミングよく素早く吸い付かせるコツ】

  1. 泣き始めてから授乳を始めると赤ちゃんが怒り過ぎてうまくいかないので、モゾモゾしたり、手をなめたりしたら、泣き始める前に授乳を始める
  2. 乳首の先で赤ちゃんの唇をなぞったりツンツンしたりして、大きなあくびをしたような口になるまで気長に待つ

    ⇧大あくびしたような口になるまで待ちましょう。

  3. 口を大きく開いたら口を閉じきる前に、素早く!でも優しく!口の奥深くに乳首が入るように赤ちゃんを引き寄せる。(お母さんが前かがみになってはダメ)
  4. もしタイミングを逃して浅いところまでしかくわえさせることができなかったら、何度でもやり直す
    「浅くてもとりあえず吸えてるからまぁいっか!」という妥協は「乳首痛い!」の元凶です。

コツ⑧:乳首が赤ちゃんの上あごに向かうように吸着させる

赤ちゃんの口に乳首を真っすぐ、舌に乗せるようにくわえさせると「浅い吸着」になりやすいです。

乳首を真っすぐ入れると、赤ちゃんの口の奥に入りきる前に赤ちゃんが吸い始めてしまい、結果的に「浅い吸着」になってしまうんですね。

乳首は赤ちゃんの上あご側に向けて入れた方がより深く吸着できます。

乳首を赤ちゃんの上あごに入れるコツ
  1. 乳首を赤ちゃんの鼻の下でスタンバイ
    (赤ちゃんの下唇はおっぱいにくっついた状態)
  2. 赤ちゃんの唇を乳首で刺激して「あくび位の大きな口」になるまで待つ。
  3. 口を大きく開けたら、乳首が赤ちゃんの上唇をなぞるようにしながら吸着させる。
    (赤ちゃんがおっぱいに「かぶりつく」ような感じ)

コツ⑨:お母さんが前かがみにならない

横抱きはお母さんの体の正面に赤ちゃんを抱くので、お母さんが前かがみになりやすく、注意が必要です。

⇧お母さんが前かがみになった授乳

「前かがみになる」ということは「高さが足りていない」ということを意味します。

赤ちゃんを低い位置で抱いていると、こんなことが起こり得ます。

  1. お母さんの肩・背中・腰が痛くなる。
  2. 赤ちゃんがおっぱいにぶら下がった状態になるので、吸着が浅くなる。
  3. 吸着が浅くなると乳首の痛みが出たり、母乳を十分飲み取れなくなったりする。

横抱きでは特にお母さんが前かがみになりやすいので、座る場所・クッションの工夫をしてくださいね。




コツ⑩:赤ちゃんの唇を内側に巻き込まないように修正する

ここまでのコツを全部駆使してもそれでも「深く吸えてるはずなのに痛いな…」と思う時は、赤ちゃんの唇が内側に巻き込んでいる場合があります。

吸い付かせたら赤ちゃんの唇が外側にめくれているか確認して、巻き込んでいたら指で外側に出るように修正してあげましょう。

赤ちゃんの下あごの皮膚を押し下げるようにすると、下唇の巻き込みを修正できますよ。

助産師はよく「ドナルドダックみたいな口になるように!」と表現します。

まとめ

横抱き(交差横抱き)での授乳のコツを10個にまとめました。

もう1つコツを付け加えるとしたら「深い吸着になるまで、何度でもやり直す」つまり「あきらめない」ということです。

コツというより精神論ですが。

他の抱き方でのコツも解説していますので併せてご覧くださいね。(現在準備中)

どの抱き方での授乳にも共通する基本的なコツは、こちら⇩の記事にまとめていますので、併せてどうぞ!

母乳が出ない!乳首が痛い!を解決する、10個の授乳のコツ

2019年2月6日

乳房・乳頭トラブルを予防・改善する乳房の支え方「C字ホールド」

2019年2月7日