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授乳期に乳首にできることがある小さな白い点。
ほんの1㎜くらいの大きさですが、とても痛くて辛いですよね。
このページでは、
- なんでおっぱいに白斑ができることがあるの?
- 痛くて辛い白斑を早く解消するためにできることはあるの?
- 白斑解消のためには食事制限が必要なの?
という疑問についてお答えします。
- おっぱいにできる白斑ができる理由・原因
- 白斑を解消するための対処法
- 白斑解決のために食事制限は必要なのか
そもそも授乳期に乳首に出来る「白斑」って何?乳栓・乳口炎とも呼ばれる。
実は、白斑については教科書的に記載が非常に少なく、ナゾが多いトラブルです。
白斑という言葉自体も確立されたものではなく、
- 乳口炎
- 乳栓
などと呼ばれることもよくあります。
白斑の正体については色々な可能性があり、例えば以下のようなものが白斑の正体です。
- 洋服など衣類の繊維
- 乳脂肪が固まったもの(ニキビの芯みたいな感じ)
- 乳首に小さな傷ができる→むくみ・炎症が起こる
- むくみがもっと進んで水疱になったもの
- 水疱がつぶれてorしぼんだために余った皮膚
①は取れば解決しますが、②~⑤に関しては数ヶ月単位で長い経過をたどることも珍しくありません。
また、
- 白斑によって乳腺が閉塞することにより
- もしくは、乳口で起こった感染が乳房内に広がることにより
白斑→乳腺炎を起こすこともあります。
白斑ができる理由・原因
白斑・乳栓・乳口炎…
これらが起こる・出来る理由・原因のほとんどは以下の2点に集約されると私は考えています。
- 赤ちゃんの乳房への吸い付きが浅い
- 授乳間隔が開きすぎ、授乳回数が急に減った
と思う人も多いと思いますが、それだけ。
吸着がほんの数ミリ浅くなっただけでトラブルを起こしてしまうことは珍しくないです。
白斑改善のための対処法
白斑への対処法①:深い吸着の徹底
白斑ができる原因の大多数はこの2点でしたね。
- 赤ちゃんの乳房への吸い付きが浅い
- 授乳間隔が開きすぎ、授乳回数が急に減った
ということは、深い吸着の徹底が超基本、かつ超重要な対処法となります。
吸い付きをほんの数ミリ修正したり、抱き方の位置をほんの数センチ修正するだけで随分ラクになることもあります。
深い吸着のコツについてはこちらの記事⇩にまとめています。
産後数ヶ月経過していて、赤ちゃんの方にも飲み方のクセとか、お気に入りの吸い方が確立されてしまっていると、吸着の修正には時間がかかることもあります。
お母さんがどんなに直しても直しても、赤ちゃんが「ふん!」といつもの浅い吸着方法に戻してしまうんですね。
吸着の修正には赤ちゃんの協力が欠かせないので、授乳のことで変化を起こす時には「赤ちゃんへのお願い&お礼」が意外と大事だと感じます。
例えば…こんな風に。
「お母さんおっぱいが痛いの。だから○○ちゃん治すの手伝ってね。いつもと違ってイヤだと思うけど、いつもより奥までくわえて飲んでね。お願いね。」
「いつもと違う飲み方でヘンな感じだったね。一緒に頑張ってくれてありがとうね。」
白斑への対処法②:赤ちゃんが欲しがるサインに合わせて制限なく&頻繁に授乳する
深い吸着と同じくらい大切なのが、赤ちゃんが飲みたがるサインを見逃さずに頻繁に授乳すること。
白斑が出来ている時は、その正体がなんであれ、乳腺が閉塞した状態/閉塞しつつある状態だと思います。
授乳間隔が開き過ぎると白斑ができている乳腺でうっ滞が起こり、乳腺炎になるリスクが上がってしまうので、赤ちゃんが欲しがるサインを見逃さず、できるだけ頻繁に授乳します。
白斑への対処法③:赤ちゃんが集中できる静かな環境&お母さんがリラックスした状態で授乳する
生後2~3ヵ月を過ぎた赤ちゃんだと、周囲の世界への興味も出てきていますし、視力も発達して動くものを一生懸命見ようとします。
ですから、授乳時に周囲で家族が動き回っていたり、お母さんが活発におしゃべりしながらだと赤ちゃんの気が散って吸着が浅くなってしまうことがあります。
くわえて、お母さんが次の予定のことで頭がいっぱいになっていたり、イライラしながら授乳していると、それで赤ちゃんの授乳への集中がそがれることもあるように思います。
上のお子さんがいる場合は特に難しい部分ではありますが、なるべく静かな環境で、お母さんがリラックスして、赤ちゃんが授乳に集中できるように工夫するのもとても大事です。
白斑への対処法④:白斑のある部分を温める
白斑ができると授乳時に強い痛みを感じることが多いです。
深い吸着が徹底できるようになれば、白斑があっても痛みはあまり感じないと思いますが、少しでも痛みを和らげるために温めたり冷やしたりするのもいいと思います。
狭くなった乳口部からスムーズに乳汁が流れ出るようにしたいので、一般的には温める方をおすすめします。
白斑への対処法⑤:白斑の正体が水疱で、痛みが強い時は滅菌した注射針で刺す
これはお母さん自身が行うのではなく、支援者と相談してになります。
基本的には、乳首に針を刺すのは新たな感染の原因にもなるのでしない方がいいと思います。
…が、水疱が大きくなって、授乳していない時も痛くてどうしようもない時には、滅菌した注射針で水疱をつぶしてあげることでラクになることもあります。
白斑への対処法⑥:痛みが強くてツライ時には鎮痛剤の内服を検討する
深い吸着・頻繁な授乳が徹底できれば、数日の内に強い痛みは改善していくことが多いとは思います。
…が、白斑の重症度は様々ですし、赤ちゃんの飲み方のクセがなかなか修正できず、深い吸着の徹底まで時間を要することもあり、その場合には一時的に鎮痛剤を使った方がベターな場合もあると思います。
「授乳中だから薬は飲めない」と考える方が多いですが、授乳中でも安全に使用できる解熱鎮痛剤がありますから、痛みが強い場合は支援者と相談して使用を検討してもいいと思います。
授乳中でも安全に使用できる解熱鎮痛剤については、国立成育医療センターのHPに具体的に記載されていますので参考になさってください。
白斑改善のために食事制限は必須なの?
白斑にせよ、乳腺炎にせよ、おっぱいにトラブルが起こると必ずと言っていいほどついてくるアドバイス。
- 「脂っこいもの・甘いものは避けて、和食中心の食事をするように。」
- 「体を温める食材を使うように。」
質問箱にいただいたご質問にも同様のアドバイスをされて困惑してる方がいらっしゃいました。
私が知る限り、食事と授乳トラブルを結び付ける科学的根拠は今のところ見聞したことがありません。
吸着や授乳頻度を気を付けるだけでも大変だと思いますので、食事は普通に健康的な食事になるようにしていれば(授乳のためではなくお母さんの健康のために)、それほど深く考えなくてもいいと私は考えています。
ジャガイモ湿布・サトイモ湿布・キャベツ湿布など野菜を使う湿布も助産師がよく勧めますが、私は冷えピタのような簡単に入手・使用できるものがいいと思います。
野菜に付着したリステリア菌の心配もありますし、トラブルを起こしてそれでなくても大変な時に、わざわざ野菜湿布を作るのは負担が大きいと思うからです。
「詰まりを解消する!」と謳ったハーブティーなども同様。
飲むとリラックスするなら安全性を確認の上で飲用すればいいと思いますが、特別必要なものではないです。
まずは深い吸着と赤ちゃんが欲しがるサインに合わせた頻繁な授乳。これが重要です。
まとめ
白斑の原因と対処法についてまとめてました。
白斑を含め、おっぱいに関連するトラブルでいつも重要なのは
- 深い吸着
- 赤ちゃんが欲しがるサインに合わせた頻繁な授乳
この2点です。
特に深い吸着に関しては、重要であるのと同時に既にクセが出来上がっている場合には最大の鬼門となりますので、「根気とリラックス」という相反するように思えるものが同時に必要となります。
特に白斑は一度できると何週間も、時には何ヶ月も悩まされることがあるので、信頼できる支援者を見つけて相談しながら解決を目指していただければと思います。
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